· 

2019年9月定例会 一般質問

9月議会でも、6月議会同様、一般質問をさせていただきました。

質問の動画は下記よりご覧になれます。

http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=639

 

2019.9.24

「福岡県の男女共同参画の推進および保育に関わる諸問題について」

 

▶後藤香織

皆さま、こんにちは。民主県政クラブ県議団の後藤香織です。前回に引き続き質問の機会を頂き、ありがとうございます。先輩方にご配慮いただき、会派の中ではトップバッターを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは通告に従い「福岡県の男女共同参画の推進 および 保育に関わる諸問題について」質問をいたします。

まずはじめに、本県は1983年から2016年までの30年以上にわたり、福岡県海外研修事業「女性研修の翼」を実施してきました。この事業では、地域や企業等で積極的な活動を行っている女性を海外に派遣し、外国の各種制度・施設の視察・調査や、人との交流等を通して、国際的視野を持って活動できる人材を育成。本県の男女共同参画社会づくりの推進に資することを目的とし、689名がこれまで海外で学んできました。この事業が終了となったことは大変残念ですが、この団員の皆さんは、女性研修の翼で得た知識と体験を、家庭・職場・地域などの場において活かし、女性の地位向上と男女共同参画社会の実現に努める ふくおか県「翼の会」として、現在も450名余のみなさんが県内5ブロックに分かれ、活動を続けています。本日はその、ふくおか県「翼の会」福岡ブロックの皆さんが傍聴に来て下さっています。翼の会の皆さんは、毎年、県内60市町村長との意見交換やアンケート調査など、現在もさまざまな活動を続けられています。そこでまず、この翼の会が県の男女共同参画の推進にどのような役割を果たし、知事はどのように評価をしているのか、お伺いします。

 

▶知事

ふくおか県「翼の会」は、福岡県が実施した「女性研修の翼」の修了生のみなさんが、この研修で得た知識や体験をもとに、男女共同参画社会の実現を目指して、自主的に結成された団体である。 

「翼の会」では毎年、各市町村の男女共同参画推進に関する実態調査を行い、その結果をもとに市町村長と意見交換をされている。また、研修会の開催や、シンポジウムの実施など積極的に活動されている

会員の中には、市町村の議会議員や審議会委員など、政策・意思決定の場で活躍されている方も多く、それぞれの地域で、男女共同参画の推進に大きな役割を果たしていると認識している

 

 

▶後藤香織

本県では、この「女性研修の翼」だけでなく、私も3期生として受講させていただいた「ふくおか女性いきいき塾」や「あすばるキャリアアップカレッジ」「地域のリーダーを目指す女性応援研修」と様々な人材育成事業を実施し、女性リーダーを育成してこられました。そこで、女性活躍先進県を掲げる本県が、今後、男女共同参画社会を実現するためにどのように人材育成に取り組んでいくのか、おたずねします。

 

▶知事

本県では、働く場や地域における女性の活躍を推進するため、キャリアに応じた人材育成事業を実施している。

 

働く場においては、企業の役員などを育成する「女性トップリーダー育成研修」これからの管理職を育成する「あすばるキャリアアップカレッジ」などを実施している。

また、農林漁業分野の女性リーダーを育成する「女性農林漁業者のための経営発展塾」の実施や、建設業の女性従業員自らが行う職場のイメージアップ及び環境の改善への支援を行っている。

地域においては、まちづくりに参加する女性を育成する「元気塾」女性のための「災害対応力向上講座」地域の女性リーダーを目指す「女性応援研修」などを実施している。

 

さらに、こうして育成した女性が、市町村審議会委員や自治会長など、地域の政策・意思決定の場において活躍することが重要である。このため、市町村職員を対象とした、女性人材活用力向上のための実践講座を開催するとともに、女性人材と、その人材が市町村で活躍できるようにするための市町村職員とのマッチング事業を今年度新たに実施する。 

県としては、今後とも、社会の様々な分野で活躍する女性の人材育成に取り組んで参る。

 

 

▶後藤香織

私が今回取り上げる保育の問題や男女共同参画社会の実現は、まさに、女性研修の翼に参加された皆さんが、海外で学んだ上で感じた日本の課題でもあります。ぜひ知事には、前向きなご答弁をお願いして、次は保育に関わる諸問題についてお聞きします。

 

2019年3月に発表された本県の「子育て等に関する県民意識調査」では、出生率の低下の原因として「子どもの生活費や教育費に経費がかかるから」「家庭と仕事の両立が困難だから」との回答が上位となっています。また、今年7月に行われた「県民意識調査」をみても県の施策について「特に力を入れて欲しい分野」の1位が子育て支援となるなど、県民が現状の子育て支援に満足していないことがわかります。その皆さまの思いを代弁すべく、子育て支援に関する課題の中から一部の項目について以下、質問をさせていただきます。

 

まずは、待機児童についてです。私たちは、妊娠が分かったとき、嬉しさと同時に、産休・育休を取れるのか、無事に出産できるのか、保育所に入れるのか、また、職場復帰してから両立ができるのか、様々な不安を抱えることになります。保育所に入るための活動は「保活」と呼ばれ、出産後、職場に復帰したい方々の最も関心の高いテーマです。0歳の4月が最も入所しやすいことから、妊娠中に保育所の申し込み時期を調べ、つわりがひどかろうと、まだ赤ちゃんが小さかろうと、保育所に見学に行き、さらにいろいろな情報収集をして、申し込みをします。その結果、保育所に入れなかった、第一希望園には入れなかった、きょうだいで別々の園になってしまった、という方が私の周りにもたくさんいます。それまでは普通に仕事をしてきた人が、喜ばしいはずの出産によって、保育所に入れず、育休が延長できなければ、最悪の場合、職を失うということはあってはならないことです。

第一生命経済研究所によると2017年に出産退職により退職した人は20万人で出産した母親の約1/5にあたります。その理由は、待機児童だけには限りませんが、この20万人が就業継続をしないことに伴う損失は、賃金ベースで6,360億円の所得減少、それに伴い企業が失った企業収益などを含めた経済損失額は1兆1,741億円と言われています。それだけ、待機児童を含め、女性が就業を継続できない状態は、本人やそのご家族はもとより、社会全体としても大きな損失があります。

 

本県においては、今年度が最終年となっている「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」、そして「福岡県総合戦略」で、待機児童の目標値を0に設定しています。このことに対して待機児童ゼロに期待を寄せた県民も多かったものの、しかしながら本年4月1日現在の待機児童数は福岡県全体で1,232名となっており、そのうち、県所管の待機児童数は1,158名と9割以上を占めています。

 

そこで、まず「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」「福岡県総合戦略」この2つの策定時期において、目標値をゼロにした経緯をお示し下さい。また、待機児童解消にむけて、これまでどのような取り組みをしてきたのかお答え下さい。

しかしながら、待機児童はゼロにはなっていません。待機児童ゼロを達成できない要因は何か、また、結果を伴っていないことについて知事はどう考えるのか、知事の見解をお聞きします。さらに、来月10月から幼児教育・保育の無償化が始まります。保育需要が増えて急激に利用者が増えるのではないかと心配される中、今後どのような取り組みをしていくのかお聞きします。

 

▶知事

県が平成27年度に策定した「ふくおか子ども・子育て応援総合プラン」では、法の規定に基づき、それぞれの市町村が見込んだ保育の量と供給体制の計画を取りまとめ、5年間で待機児童が解消できると判断し、今年度までに待機児童をゼロとする目標を設定したところである。

 

その目標に向け、保育施設の整備、3歳未満児の受け皿となる地域型保育事業の設置、幼稚園から認定こども園への移行支援等による受け皿の拡大を図るとともに、保育を担う保育士の確保に努めてまいった。

 

しかしながら、福津市、糸島市など近年子育て世代が増加している市町村においては、保育需要の伸びが市町村の見込を上回り、待機児童が増加する結果となっている。

 

仕事と子育ての両立が求められる中で、待機児童の早期の解消は重要である。

このため、今年度、新たに待機児童のうち約8割を占める3歳未満児の受け入れ拡大を目指す補助事業を開始しており、市町村に事業を活用してもらうことで待機児童の解消を図ってまいる。

 

無償化後の対応については、現在市町村において、無償化後の影響を見込んだうえで、令和2年度から5年間の保育の量及び供給体制について計画を策定しているところである。

県としては、市町村計画に基づき、必要となる施設整備や既存施設の定員見直しによる受け入れ拡大が図られるよう支援してまいる。

 

 

▶後藤香織

私自身は9年前に長女が保育所に入所できませんでした。それ以来、待機児童の問題に声を上げてきましたが、最近では、待機児童の話は聞き飽きたという方もいます。しかし、なぜ、聞き飽きるほど声を上げても解消されないのでしょうか。待機児童ゼロを望む全ての皆さまに向けて、知事には、計画を策定した責任者として、一日でも早い待機児童解消にむけての取り組みをしていただきたいと思います。

 

2点目に、保育士の待遇改善についてです。昨年の年末、福岡市の保育園が、九州で初めて保育士不足が原因で休園となりました。また、本年2月には同じく福岡市の保育所で園児に対する虐待が明らかとなりました。どちらの園も国の配置基準ギリギリに保育士を配置し、一人あたりの業務負担が重い状態にあったことが明らかとなっています。現行では、保育士1人に対し、0歳児3人、1.2歳児6人、3歳児20人、4.5歳児30人が配置基準とされています。しかし、この基準は70年以上変わっておらず、また世界的にみても非常に低い基準となっています。このことは保育士の業務負担増となり、ひいては保育士の離職にも繋がっています。そこで、この国の配置基準の実態について、知事はどのような認識を持っているのかお聞きします。

 

保育士の待遇改善には、ただ単に給与を上げれば良いと言うだけではなく、保育士の業務量の多さやワークライフバランスが確保できないなど、未だ改善されていないものが多くあります。最低基準の人数で、より多くの児童を受けいれろというのでは保育の質は低下する一方です。保育所は「ただ子どもを預ける場所」ではありません。乳幼児を健康・安全で安定感をもって活動できるように養護するとともに、その心身を健全に発達するように教育するための場所であり、保育士が乳幼児に向き合える、本来あるべき姿を社会全体で作りあげるために保育の質の向上を切に願い、以下、知事にお聞きします。福岡県内の保育士の離職状況とその理由はどうなっているのかお示し下さい。その上で知事はこの状況についてどんな課題があるとお考えか、また、その課題に対して、これからどのような取り組みをするおつもりかお聞きします。

 

▶知事

保育士の配置基準は、保育所に求められる最低基準となっている。一人ひとりの子供の発育に応じた保育の質を担保するためには、国の配置基準の改善が必要であると認識している。

 

保育士の離職状況については、平成29年社会福祉施設等調査をもとに算出すると、平成28年10月から29年9月にかけての本県における保育士の離職率は9.6%となっている。

離職の理由としては、県が29年度に実施した調査では「結婚、妊娠・出産、育児、介護のため」が最も多く全体の約3割、これに続いて、「賃金等処遇」、「休暇や勤務シフトといった勤務体制」が挙げられており、離職防止のためには、賃金や職場環境の改善を進めていくことが重要と考えている。

 

賃金に関しては、平成29年度から、国により技能・経験に着目した加算制度が導入され、平均年収も平成28年の327万円から平成30年には358万円と約1割の改善が進んでいる。

 

また、職場環境については、県において、無料コンサルティングの派遣や管理者を対象とした研修会などを実施している。併せて、保育士の負担軽減を図るための保育補助者に係る経費の助成を行っている。

 

保育士の負担軽減と処遇改善を確実に進めるには、国が定める配置基準と公定価格の改善が不可欠このようなことから、引き続き、国に対し、基準の引き上げや運営費の改善を要望してまいる。

 

 

▶後藤香織

3点目に10月1日から始まる幼児教育・保育の無償化についてお聞きします。無償化を目前に対象となる保護者が最も気にしているのが、食材料費、いわゆる給食費の問題です。これまで給食費は、3歳以上児の主食代を除いて保育料に含まれていましたが、今回の幼児教育・保育の無償化では、新たに副食費がその対象から外れ、保護者から実費徴収することとなりました。そこで知事にお伺いします。今回の無償化に伴う副食費の支払いにより、負担が増える家庭があるのではないかとの懸念がなされていますが、そのような実態があるのかお示し下さい。併せて、来月から無償化が始まるにもかかわらず、その給食費の対応を未だ明らかにしていない園もあり、不安に思う保護者が多いことから、その概要について知事に説明を求めます。また、給食費が滞納となった場合に、保育士の事務負担の増加や給食の質の低下が懸念されますが、県としてはどのように対応するのかもお示し下さい。

 

以上、ご答弁をよろしくお願いいたします。

 

▶知事

私立保育所に通う満3歳以上の子どもに係る副食費については、保護者は、これまで保育料の一部として市町村に支払っていたが、今回の無償化に伴い、副食費は無償化の対象外とされ、保護者は直接、施設に副食費を支払うこととなった。

一方で、保護者の負担を配慮して、これまで、国の基準で保育料が免除されていた生活保護地帯や第3子以降の子どもを持つ保護者等に加え、年収360万円未満相当の世帯が一律に副食費の免除対象とされた。

また、今回、満3歳以上のすべての子どもの保育料自体が無償化されており、副食費を支払ったとしても、全体としては負担が増える家庭はない。

食材料費の滞納が発生した場合の対応については、基本的には、施設において対処することとなる。

 

 

▶後藤香織

(再登壇)無償化にかかる給食費については、その徴収や滞納時の対応が施設に委ねられているというご答弁を頂きました。そこで知事に要望をさせていただきます。先ほど申し上げましたように、私は、今回の給食費の徴収業務は保育士の業務負担増になるのではないか、給食費の滞納により、給食の質が低下するのではないか、と懸念しております。

また、待機児童をゼロにできなかったことについては、計画を策定する段階で、本県および市町村の見込みが甘かったと言わざるをえません。次期計画においても引き続き待機児童ゼロをめざしていくよう要望をいたします。

 

幼児教育の無償化は、より良い幼児教育への投資が貧困問題の解決など、国の将来にメリットを与えると考えられているため、多くの先進国で行われています。しかしながら、今回のように保育まで無償化としている国は少なく、また、諸外国では、無償化と同時にその保育の質が担保されるような努力がされています。しかしながら、日本では待機児童さえも解消されておらず、給食費滞納時の対応も含め、保育の質のさらなる低下が懸念されています。保育は、世帯収入によって保育料が決まるため、低所得世帯はすでに無償化されており、今回の無償化では、所得の高い人ほど恩恵があり、貧困対策にもならず、何のメリットもありません。

 

また、幼稚園や認可外保育施設の一部は、今回無償化の対象外となっており、私の周囲でも戸惑いの声を聞きます。全ての子育て世代が公平に受けれるわけではないこの制度自体にも、私は問題があると思っています。しかしながら、まもなく幼児教育・保育の無償化は始まります。子育て世代の皆さんが不安なく、制度を利用できるよう、この制度の周知や市町村などへの助言をしていただけますようお願いをして、私の一般質問を終わります。ご静聴、ありがとうございました。