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2020年2月定例会 一般質問

2020年2月議会における、後藤香織の一般質問の内容です。

質問の動画は下記よりご覧になれます。

http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=639

2020.3.9

「性暴力を根絶して、被害者も加害者も出さない社会の実現について」

 

▶後藤香織

皆さま、おはようございます。民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。昨日3月8日は「国際女性デー」でした。女性の自由と平等と人権を求めて世界各地で様々なイベントが行われました。性暴力は女性の尊厳をおびやかすもので、その根絶は悲願でもあります。そこで今回は通告に従い「性暴力を根絶して、被害者も加害者も出さない社会の実現について」質問します。

 

まずは、2019年2月定例県議会において、議員提案により可決成立した「福岡県における性暴力を根絶し、性被害から県民等を守るための条例」この全面施行にむけた取り組みについてです。この条例では、性暴力の定義を決めたこと、加害者更生の制度化など、全国初の取り組みが大変高い評価を受けています。私自身も福岡県民が安心安全に暮らせる大変すばらしい条例だと、期待をしております。この素晴らしい取り組みが一層加速し、全国へと広がることを願い、3点、質問をさせていただきます。

 

令和2年度当初予算案では、新規事業として学校や事業所等への性暴力アドバイザー派遣やアドバイザーの養成に対して予算が盛り込まれています。この性暴力アドバイザーは福岡県下の小中高校にアドバイザーを派遣して、教育・啓発活動を行うとのことですが、具体的にどのような事業で、どのように進めていく予定なのかお聞きします。

 

また、そのアドバイザーについては性暴力被害者支援センター・ふくおか等の心理職、相談員やスクールカウンセラーとしています。中でもスクールカウンセラーは、現状3~4校に1人配置されており、研修等を受講し、アドバイザーとして活躍できることで、教育現場における被害児童・生徒等に対する適切な対応や性暴力に対する理解が進むと大変期待しております。そこで2点目に、スクールカウンセラーが性暴力アドバイザーとして活躍していただくことの効果について、どうお考えか、知事の見解をお聞きします。

 

3点目に、被害者の低年齢化に対応する取り組みについてお聞きします。福岡県警察が発表した令和元年度の「福岡県の性犯罪の現状」によると、被害者を学職別に見た場合、小学生以下が15%、高校生、大学生がそれぞれ12%、中学生が11%となっています。これを年代別で見た場合は10歳代以下が被害の5割を占めており、低年齢者の被害が問題となっています。子どもの性被害に対しては十分な配慮や対応が必要かと思いますが、どのように対応をされるのかお伺いします。

 

 

▶知事

性暴力対策アドバイザーの派遣について。

この事業は、性暴力根絶条例に基づき、来年度から、小学校、中学校、高等学校などにアドバイザーを派遣し、児童・生徒の発達段階に応じて性暴力の根絶や被害者支援に関する総合的な教育を行うことにより、被害者も加害者も出さない社会、性暴力を許さず、被害者に寄り添う心を共有する社会をつくるために実施するものである。

 

来年度は、先行実施校として100校程度にアドバイザーを派遣し、性と人権、体や性の仕組み、相手への理解と尊重、性暴力及び性被害の実情等に関する授業を行う。

 

今年度は、アドバイザーを50名程度養成しており、来年度以降も増員を図り、令和4年度以降は150名体制で、県内すべての小・中・高等学校などに派遣したいと考えている。

また、県内の市町村や、大学・専門学校、事業所に対しても、その求めに応じて、アドバイザーを派遣してまいる。

 

 

スクールカウンセラーがアドバイザーを担う効果について。

スクールカウンセラーは、心理専門職として、学校現場の実情に精通し、

日頃から、児童生徒の悩みや相談に応じており、その実情に即した講義が可能となること

講義後のフォローアップを学校側の直接アドバイスできること

などの効果が期待できると考えている。

 

 

被害者の低年齢化に対応する取組みについて

性暴力被害者支援センターの昨年度の相談者数は、10歳代以下の相談者が149人で全体の約25%を占めそのうち中学生以下の相談者が65人で、毎年その数が増加している。

 

このため、センターでは、子どもからの相談に適切に対応できるよう、相談員に対する専門研修を実施している。

また、来年度からは、センターに、子どもの被害相談に豊富な経験を有する心理専門職を配置するとともに、全国で初めて、遊戯療法を取り入れた相談対応ができるプレイセラピールームを設置することとしている。

 

 

▶後藤香織

次に、痴漢事犯について警察本部長に3点、質問します。

 

痴漢は、性暴力の1つの形態であり、刑法犯あるいは県が定めた「福岡県迷惑行為防止条例」の第6条「卑猥な行為等の禁止」に対する違反として処罰の対象となっています。ここでいう「卑猥な行為」とは、第1項、公共の場所や乗り物において他人の身体に直接または衣服の上から触れるような痴漢行為、第2項、通常衣服で隠されている他人の身体や下着をのぞき見し、写真やビデオカメラ等におさめる盗撮行為などがそれにあたります。昨年中の痴漢行為、盗撮行為の県内における検挙件数は約370件と全国的に見ても高水準です。また「平成27年犯罪白書」によると、性犯罪の再犯率は痴漢、盗撮の順に高く、それぞれ44.7%、36.4%となっています。つまり、有罪判決を受けたもののうち、裁判確定から5年以内に再び有罪判決を受ける者は10人中3~4名と再犯率が高いのが特徴です。

 

こうした背景や、近年ではその行為の多様化をうけ、1年前の2019年3月に条例が一部改正されました。第1項については、衣服以外の他に身につけるもの、例えばマフラーやひざ掛けなどの上から触れる行為、第2項については、透視機能を有する写真機等で見る・撮影する・設置する・向ける行為も禁止されました。それに伴い罰則も「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と強化されたところです。

そこで、警察本部長にお伺いします。本県内における迷惑防止条例違反の痴漢事犯について、警察で把握している件数、どのような場所で発生しているのか、県警の分析や対応もあわせてお聞かせください。

 

次に2点目に、相談窓口の認知度向上についてお伺いします。福岡県警察が2018年6月に調査をした「痴漢犯罪に関するアンケート」によると、痴漢被害を相談したのは約6割となっています。被害にあった場合に、まずは相談窓口に連絡をしていただくことが重要であり、この相談窓口の認知度が低いのではないかと推測されます。どの程度、相談窓口が県民に周知されているとお考えか、見解をお聞かせください。

 

次に2016年3月に警察庁は警察本部長宛に「電車内における痴漢対策の推進について」通達を出しました。その中では、電車内における痴漢事案は、被害者に深刻な被害を生ずる悪質な犯罪行為であり、鉄道事業者と連携した広報・啓発活動により、痴漢撲滅の社会的機運の醸成に努めること、と鉄道事業者との連携が推奨されています。

 

そこで3点目に、鉄道事業者と連携した広報・啓発活動として、電車内に「痴漢は犯罪行為である」ことや相談窓口の番号などを記載したポスターを掲示してはどうかと考えますが、本部長のお考えをお聞きします。

 

福岡県警は性犯罪の根絶を3大重点目標の1つに掲げ、人口10万人当たりの認知件数は9年連続ワースト2位でしたが、2019年度はワースト5位にまで改善させました。性暴力根絶条例を契機にして、これからも被害者も加害者も出さない福岡県の実現にむけて、ぜひ前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。

 

 

▶警察本部長

痴漢事犯対策について、お尋ねがありました。

 

痴漢事犯の件数や対策について。

令和元年中、県警察が検挙した痴漢の件数は、123件であり、前年比マイナス3件となっています。

発生場所別でみると、電車等の乗り物内が半数を超えております

 

県警察においては、これらの事犯を分析し、

・自主防犯行動を促すための「ふっけい安心メール」等による情報発信

多発時間、多発場所に警察官を配置、あるいは巡回させての警戒

などを実施するとともに、特に電車等の乗り物内での痴漢事犯対策として、

警察官が電車等に乗車しての警戒・検挙

鉄道事業者と連携した広報啓発

などに取り組んでいるところです。

 

 

相談窓口の周知について。

警察が相談を受ける場合としては、警察署、交番等において、相談者から直接相談を受ける場合と、警察相談専用電話「#9110」や性犯罪被害相談電話「#8103」などの電話で相談を受ける場合と、県警ホームページからメールで相談を受ける場合などがありますが、痴漢被害や性犯罪の被害に関しても、広く相談を受ける体制を取っています。

これら、各種相談窓口の広報については、県警のホームページをはじめ、各種キャンペーンの実施や関係機関の発行誌等に掲載するなど、あらゆる機会を通じて周知に努めております。

 

県警察への相談件数は、平成26年以降、6年連続で7万件を超えており、県民の皆さまに相当程度周知されているものと考えております。

しかしながら、議員ご指摘のとおり、アンケート結果によると、痴漢被害者の中には、通報・相談場所がわからないと回答された方もおられることから、県警察といたしましては、これら各種相談窓口について、今後も県民の皆様への周知に努めてまいります。

 

 

被害防止の広報・啓発活動について。

県警察では、これまでも鉄道事業者と連携して、

駅利用者に対するモラルマナーアップキャンペーン

利用者の多い駅における防犯ブザー無償貸出し事業

などを通じて、電車内における痴漢や性犯罪への被害防止に関する広報啓発活動を行ってきたところであります。

 

また、一部の鉄道事業者と連携し、痴漢行為者等への警告を狙った「痴漢・盗撮は犯罪」であることを周知するポスター等を製作し、電車の中吊り広告などで啓発を行っております。

ご提案の痴漢等に関する相談窓口を記載したポスターの掲示につきましては、痴漢の被害に遭われた方が相談しやすい環境を作る一方策であると考えますので、今後、検討してまいります。

 

 

▶後藤香織

前向きなご答弁ありがとうございました。

 

警察本部長に2点、要望をさせていただきます。相談窓口の答弁の中で「#8103」の話がありました。この#8103 これはハートさんといわれており、ぜひ県民のみなさまにも覚えていただきたいのですが、この専用番号に電話をかけていただいた場合は、原則、臨床心理士が応対すると聞いております。被害者にとっては大変重要な相談窓口と考えますので、今後もより一層の周知をしていただけますよう、よろしくお願いいたします。

 

また、電車内のポスターについてもご検討いただけるとのことでした。より効果をあげるために短期間ではなく、できるだけ長い期間、掲示をしていただけますよう、あわせてお願いいたします。電車等での乗り物内での被害が半数を超えるということは、しっかり鉄道事業者と連携すれば、その分、痴漢事犯も減る、つまり加害者も被害者も減らすことができるのではないかと思います。今後もしっかりと連携していただくことをお願いして、私の一般質問を終わらせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。