· 

2020年2月定例会 予算特別委員会 学校給食における安心安全な食材の提供について

2020年2月定例会では、予算特別委員会で質問をさせていただきました。

2020.3.23

「学校給食における安心安全な食材の提供について」

 

▶後藤香織

民主県政クラブ県議団の後藤香織です。「学校給食における安心安全な食材の提供について」給食費、食材の流通、この2つの観点から質問をさせていただきます。

 

まずは給食費についてです。

学校給食は明治22年に貧困児童を対象に山形県で始まったとされています。今や全国の公立小学校の99.3%で完全給食が実施され、子どもたちの健康を担う欠かせないものになっています。

 

①そこで、まずはじめに、本県の公立小中学校の給食費の状況をお示しください。あわせて、10年前と比較してどのような状況になっているのでしょうか、お聞きします。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

文部科学省が実施する「学校給食実施状況等調査」によれば、本県の公立学校における平成30年度学校給食費平均月額は、小学校で3,967円中学校で4,632円となっています。

 

先ほど申し上げた調査によれば、平成20年度の学校給食費平均月額は、小学校で3,643円であり、10年間で324円率にして8.9%の増加

また、中学校で4,268円であり、10年間で364円率にして8.5%の増加

全国平均でも同様の傾向がみられます。

 

 

▶後藤香織

給食費は10年前と比較しても増加傾向にあるとのことでした。

 

福岡県内では、来年度4月から複数の市町村が給食費の値上げを決めており、その値上げ額は、例えば北九州市では、小学校で400円、中学校で500円となっています。値上げの理由は、HPによると、消費税増税食材価格の高騰学校給食摂取基準の改定によりエネルギー量の増加が必要なこと、などを挙げています。

 

給食費は、各市町村が、栄養量、食品構成等から算出しており、児童生徒一食あたりの給食費も算出されています。この一食あたり給食費の内訳は、米飯やパンといった主食、牛乳、おかず代のこの3つです。このうち、主食と牛乳は、県内同一で調達しており、また消費増税や食材価格の高騰があっても「基本物資」として欠かすことができないことから、各自治体では、これまでもおかずの部分を工夫することで給食費を維持しつつ、学校給食を提供してきました。

 

しかし、摂取基準をみたし、教育力のある献立にするためにやむを得ず、値上げをせざるを得ない状況となっています。学校給食に関わる皆さんが大変な努力をしていることは承知をしていますが、値上げをしなかった場合は、おかず代にしわ寄せがきて、食材の質の低下、献立が質素になるなど、子どもたちの楽しみが減るような状況になっていないか懸念をしているところです。

現状、県としては、地産地消を推進する観点から、県産米の「元気つくし」や「夢つくし」の学校給食への導入について支援していることは承知しています。

 

②そこで、このほかに、県教育委員会として、市町村教育委員会に対し、どのように学校給食の運営を支援しているのでしょうか。また、これまで申し上げたような価格の高騰や安心安全な食材の確保を鑑み、県単費での支援をしてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

県教育委員会では、政令市以外の市町村教育委員会に対し、学校給食の衛生管理に関する指導助言や栄養教諭等に研修を行うことによる人材育成を図るなどの支援を行っています。

 

財政支援という点に関して、学校給食費は、学校給食法において保護者が負担することになっており、経済的理由により負担が厳しい保護者に対しては、生活保護や就学援助制度による支援がなされます。

 

学校給食費のさらなる支援については、一義的には国が検討するものだが、実施主体である市町村が、地域の実情や課題に応じて、無償化や保護者負担軽減策を決定することは可能であります。

 

県教育委員会としては、市町村教育委員会に対し、就学援助制度の周知徹底を指導すると共に、国の動向や、参考となる自治体の取組みについて情報提供してまいります。

 

 

▶後藤香織

県による財政支援は難しいとは思いますが、学校給食で何とか栄養をまかなっている児童生徒もいると聞いています。子どもの貧困対策という意味でも、今後ぜひ、学校給食費への県の支援を検討していただきたきたく要望をさせていただきます

 

次に、食材の流通について、その一部を担っている公益財団法人福岡県学校給食会について伺います。

 

③まずは、この福岡県学校給食会の役割についてお伺いします。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

公益財団法人福岡県学校給食会は、県内の学校へ米や牛乳、冷凍食品や加工品といった学校給食用物資を供給しています。

また、県教育委員会とともに、給食調理員による料理コンクール子供と保護者がともに食に対する意識を高める学校給食フェア保護者を対象とした研修会の開催など、食育の推進、学校給食の普及充実に取り組んでいます。

 

 

▶後藤香織

お答えいただきましたように、県学校給食会では、お米や牛乳、おかずとなるもののうち、冷凍食品や加工品などを取り扱っているとのことでした。

 

④そこで、その食材の流れについてお聞きしたいのですが、例えば、お米は、JAなどから出荷されて、精米してから実際に給食として並ぶまでの工程や日数はどうなっているのでしょうか。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

多くの学校(8割)において、精米工場で精米された後、学校へ直接納品されているが、この場合、精米後、3~4日程度で学校へ納品されます。

また、一部の学校(2割)においては、配送手段の関係で、精米工場で精米された後、県学校給食会を経由して学校へ納品されるが、この場合、精米後、1週間程度で学校へ納品されます。

なお、納品後の給食提供時期は、児童生徒数、保管庫の広さ等により異なります。

 

 

▶後藤香織

お米の流れについてはわかりました。学校給食法では学校給食関係者の7つの目標に「食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと」とあります。私は、この食材の流通については、トレーサビリティの概念、つまり追跡可能性が重要だと考えます。これにより、万が一、食品事故や産地偽装等が起きた時に原因究明がより速やかになり、責任の所在を明確にすることができます

これまでも、学校給食においては、米飯への虫の混入など、食品事故が起きており、学校給食施設での衛生管理の徹底がなされてきました。

しかし、2017年に東京都で起きた刻み海苔が関与した食中毒事件では、調理場での衛生管理等が問題だったわけではなく、食材の出荷の過程ですでに食品の汚染が起きていたものでした。衛生管理も重要ですが、こういった事例からも、食材の流通の一端を担う県学校給食会においては、トレーサビリティの取り組みが必要だと考えます。

 

⑤そこで、県学校給食会では、現状、食材の移動の把握や記録はどのようにして行われているのでしょうか。また、食品事故等があった場合に、遡及・追跡して原因究明等を円滑に行う仕組みは構築されているのでしょうか。お答えください。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

県学校給食会で取り扱う学校給食用食材の産地情報について、毎年各仕入れ先より提出された書面で把握しています。

また、仕入れ先の出荷記録は賞味期限や製造ロットなどで管理されており、食材の入庫時には数量や賞味期限等をシステムへ登録すると共に、冷蔵・冷凍品については配送車の庫内温度及び食材そのものの温度の測定・記録を行っています

 

さらに、学校への出荷時には、納品伝票を学校に発行し、どこの学校に何を出荷したかをシステム上で管理しています。

異物混入などの事故が発生した場合の対応については、学校や共同調理場から県学校給食会へ事故の内容、賞味期限等の連絡を行い、その連絡を基に県学校給食会が各仕入れ先へ追跡と原因の追及を行っています。

 

 

▶後藤香織

県学校給食会内でのシステムにおいて一元管理をきちんとされているとのことで、安心いたしました。

万が一、食品事故が起きた場合に、きちんと原因究明ができる体制をしっかりと今後も整えていただきたいと思います。

 

次に、情報公開についてお聞きします。

今回、私は質問にあたり、県学校給食会を視察しました。その際にホームページを拝見させていただきましたが、率直にいうと、内容が漠然としていて、わかりづらい。と感じました。例えば、HPでは取扱い物資の紹介もされています。この取扱い物資については2019年の予算特別委員会の中でも言及がありましたが、米と牛乳以外に562品目あるとのことです。しかし、HP上にはその一部しか掲載されておらず、原材料の産地情報などもすべてに記載があるわけではありません。県学校給食会のホームページを見る人というのは、かなり学校給食に関心を持っている方だと思います。だからこそ、その方たちにとっては、欲しい情報を得られない、と感じるのではないかと思います。

 

⑥そこで、利用者や保護者等に安心してもらうためにも、またトレーサビリティの概念からも、その食材がどの市町村の学校給食につかわれているかなど、流通についても情報公開をするとともに、わかりやすく親しみやすいHPに改良するよう助言してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

▶教育庁 教育振興部 体育スポーツ健康課

現在、県学校給食会のホームページにおいて、米については地元JAの米をその地域の学校へ供給するとともに、牛乳についても県産の牛乳を使用していることを掲載しております。

 

また、冷凍食品や加工品についても、九州各県での共同購入している食材や、県内の給食関係者の意見をもとに開発した食材などについて規格等を掲載しています。

 

基本的には学校が、県給食委員会以外から調達したものを含め、使用した食材の産地等を子供や保護者に伝えていただきたいと考えますが、県学校給食会が取り扱う食材の流通や産地のよりわかりやすい情報公開に関し、ご指摘があったことについて、県学校給食会に伝えてまいります

 

 

▶後藤香織

給食の安心・安全には、情報公開はかかせないとおもいますので、ぜひよろしくお願いします。

 

⑦最後に、安心・安全な給食の食材の確保にむけた副教育長の決意をお願いします。

 

 

▶副教育長

学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達はもちろんのこと、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たしています。そのため、学校給食が「安全であること」は不可欠なものであり、使用する食材の安全性に特に気を配る必要があります

 

県学校給食会が扱う学校給食用食材については、産地情報のホームページへの掲載を行うとともに、細菌検査等の食品検査を実施しており、県学校給食会としても安全・安心な食材の提供に努めているところであります。

 

さらなる情報公開やホームページの改良というご指摘については、県学校給食会に今後伝えてまいりますが、今後とも、子供たちが毎日安心して給食を食べられるよう、調理場の衛生管理等を含め、学校給食の安全性の確保に努めてまいります。

 

 

▶後藤香織

子どもたちの安心安全な給食のため、どうぞよろしくおねがいいたします。終わります。