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2021年2月定例会 一般質問 福岡県警察における女性警察官の登用を含む人的組織基盤の強化について

2021年2月議会における、後藤香織の一般質問の内容です。

質問の動画は下記よりご覧になれます。

http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=639

2021.3.8

「福岡県警察における女性警察官の登用を含む人的組織基盤の強化について

 

 

▶後藤香織

みなさん、おはようございます。

 

民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。

 

本日は、国際女性デーです。

  

今、日本は世界的潮流を受け、私たち議員も含めた指導的立場にある人のジェンダー意識が問われています。

 

1人ひとりの人権の尊重、能力の発揮は、人口減少社会において持続可能な社会の発展のためにも不可欠な要素であり、今改めて、ジェンダー平等とはどうあるべきなのか、その意味を問い直さなければなりません。

 

そこで、今回はその視点にたって「福岡県警察における女性警察官の登用を含む人的組織基盤の強化について」質問をいたします。

 

まずは、福岡県警察における女性警察官の増員についてお聞きします。

 

ランドセルメーカーのクラレが2020年4月に行った調査によると、小学校に入学する子どものなりたい職業について、警察官は男の子が2位、女の子が9位と、男子にも女子にも人気のある職業となっています。

 

こういった社会的ニーズを背景に、これまでも県警察では、女性警察官の体格基準の設定が全国の中でも厳しい基準であったことなどから2016年度の警察官採用試験から女性警察官のみ体格基準の緩和、さらに今年度2020年度より男女ともに身長・体重の体格基準を撤廃し、入り口を広げた上で、女性志望者向けに「女性の魅力を伝えるPR動画」を作成するなど、女性警察官の増員に向けて取り組んできています。

 

そこで、まずはじめに、福岡県警察において、2020年4月1日時点での全警察官に占める女性警察官の割合はどのようになっているのか、また、その割合は全国と比較してどのような状況かお答えください。

 

併せて、この割合の現状について、県警察はどのように分析・認識し、今後どのように増やしていくつもりか、お伺いします。

 

 

▶警察本部長

県警察における全警察官定員に占める女性警察官の割合についてお答えします。

 

令和2年4月1日現在で約8.3%であり、全国警察の中では、2番目に低いものであります。

 

この原因につきましては、警察庁から女性警察官の採用・登用の拡大に向けた計画の策定指示がなされた平成23年当時、全国警察の多くが、全警察官定員に占める女性警察官の割合を平成35年(令和5年)までに10%とする計画を策定していたところ、県警察においては、当時、総力を挙げた取組を行っておりました暴力団対策などの必要性から、10%の達成時期を、平成43年(令和13年)までとする計画を策定したことによるものです。

 

その後、増加傾向にあったストーカー・DV事案等に対応するため、県警察では、平成30年に、当時の計画を前倒しし、令和5年度までに全警察官定員に占める女性警察官の割合を10%とすることとし、女性警察官を積極的に採用しております。

 

今後も、引き続きSNSを活用した女性警察官採用募集活動採用パンフレットや県警ホームページで女性警察官の活躍や職域拡大・登用等を紹介するなどの取り組みを推進してまいります。

 

 

▶後藤香織

これまでも県警察は、県議会において、繰り返し、性犯罪の捜査や被害者支援のためにも女性警察官の増員が必要であると答弁をしてきました。

 

また、国においても令和2年度から3年間を「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」との方針を示しており、その必要性はますます高まっていると考えます。

 

そこで2点目に、今後の女性警察官増員の必要性について、改めてその認識を警察本部長にお聞きします。

 

その上で、女性警察官の配属状況はどうなっているのか、お伺いします。

 

 

▶警察本部長

今後の女性警察官増員の必要性についてお答えします。

 

性犯罪やストーカー・DV事案等の捜査、被害者支援等の場面において、女性警察官による適切な対応が求められているほか、近年の犯罪情勢や社会生活の変化に応じた対策を講じていくためには、女性の視点を組織に一層反映していく必要があると認識しております。

 

女性警察官の数は、採用・登用拡大計画を策定いたしました平成23年は約550人であったところ、令和2年には約930人と、訳1.7倍に増加しております。

 

その間、当県の課題であります性犯罪対策等を強化するため、全ての警察署に、

性犯罪捜査に必要な教養を受けた性犯罪捜査官

及び

女性被害者に対する事情聴取や病院への付き添いや、ストーカー・DV事案の相談に対応する被害者支援要員

女性警察官を複数配置しているほか、警察本部においても、全ての部門に女性警察官を配置しております。

 

 

▶後藤香織

性犯罪対策においては、本県も3大重点目標に掲げ、対策を推進してきたこともあり、2018年まで9年連続ワースト2位だった人口 10 万人当たりの性犯罪認知件数は、2020年にはワースト8位となるなど、県警察の性犯罪対策への本気度が結果に表れています。

 

その上で、性犯罪被害において最も重要なのは、初動対応だと思います。

 

例えば、交番等でその対応をする場合、女性警察官がいない場合や、その対応に熟知していない警察官がいることも考えられます。

 

実際に、私の周りでもご自身や娘さんが被害に遭い、警察署に行ったが、対応が不十分でショックだった、という声を聞きました。

 

そこで3点目に、性犯罪事件の初動対応等の捜査体制について、これまでどのように行ってきたのか、警察本部長にお伺いします。

 

 

▶警察本部長

性犯罪につきましては、県警察の三大重点目標と位置づけ、組織一丸となってその根絶に努めております。

 

具体的には、平成24年、捜査第一課に「性犯罪対策室」を設置したほか、現在、警察本部及び全ての警察署に性犯罪捜査官555人を配置するなど、犯人の検挙に向けた捜査体制の強化を図ってきたところであります。

 

また、被害者に対する二次的被害の防止については、初動捜査の段階から性犯罪捜査官と被害者支援要員が連携して事情聴取や被害者支援活動を行うなど、被害者に寄り添った対応に配慮しております。

 

併せて、経験や知識の少ない若手警察官等に対する各種教養や実践的訓練を実施するなど、初動対応に万全を期しております。

 

 

▶後藤香織

次に、福岡県警察におけるワークライフバランスの推進についてお聞きします。

 

2015年女性活躍推進法の施行を受け、県警察でも「福岡県警察におけるワークライフバランス推進行動計画」を2016年4月に策定し、5カ年の計画を立てており、今年度が最終年度となっています。

 

福岡県警察では、女性警察官の配偶者は警察職員であることが多い、とされています。

 

このように特に夫婦で警察職員である場合など、使命感とやりがいを持って警察職員として働き続けていただくためにも、県警察内でのワークライフバランスの推進が重要です。

 

警察官の職務の特殊性を考慮しつつも、その計画に基づく取組の実施状況について、以下お聞きします。

 

これまで県警察では、この計画の具体的取組事項として挙げている「全職員のワークライフバランスの推進」「仕事と家庭を両立できる職場環境の整備」「女性職員の活躍推進」についてどのような取組をし、成果をあげたのか、お聞きします。

 

 

▶警察本部長

平成28年に福岡県警察におけるワークライフバランス推進行動計画を策定し、

全職員のワークライフバランスの推進

仕事と家庭を両立できる職場環境の整備

女性職員の活躍促進

を3本柱として取り組んでまいりました。

 

全職員のワークライフバランスの推進につきましては、業務の合理化・効率化による時間外勤務の縮減や年次休暇の取得促進等を図るため

事件等の捜査が長時間に及んだ翌日の時差出勤の活用

当直明けの定時退庁の促進

落とし物などの窓口業務の受付時間の短縮

等、全庁的な働き方改革に取り組んでおります。

 

その結果、昨年中の職員1人当たりの年次休暇の平均取得日数が、行動計画を策定した平成28年と比較して、約4日増加しているほか、昨年度中の男性職員の育児参加のための父親育児休暇の取得率が51.9%と、平成28年度と比較して約40ポイント増加しております。

 

職場環境の整備につきましては、部分休業など、職員の仕事と家庭の両立を支援するための制度に加えまして

育児休暇を取得した職員と定期的に面談を行い、円滑な職場復帰を支援するためのサポートプログラム

育児や介護等の事情を有する職員を計画的な勤務ができる係へ配置する両立支援ポスト制度

等に取り組んでまいりました。

 

その結果、女性警察官の出産・育児を理由とした離職者につきましては、平成28年度から令和元年度までの4年間の平均が3人未満と、少ない状況を維持しております。

 

女性職員の活躍促進につきましては、

積極的な警察本部企画部門等への登用

キャリア形成を支援するための捜査幹部等のロールモデルの育成と紹介

さらなる職域拡大やキャリアアップを図るための研修会等の開催

等を推進し、捜査幹部への登用や全部門への配置など活躍の場を拡大しております。

 

 

▶後藤香織

女性警察官の離職防止のためには、ワークライフバランスの実現のみならず、ハラスメントのない、健全で風通しの良い職場環境の整備が不可欠であると考えます。

 

そこで、警察学校における離職を防ぐ取り組みについて、3点お伺いします。

 

警察官採用試験に合格した方はその後、警察学校に入校し、学校での教養を修了後、交番などに配属され、実際に警察業務にあたることとなります。

 

そこでまず1点目に、近年では、どのくらいの人数が試験合格後、辞退をしているのか、また警察学校での入校中に退学をしているのか、その現状をお聞きします。

 

 

▶警察本部長

県警察における警察官採用試験合格者のうち、辞退者につきましては、行動計画を策定した平成28年度から令和元年度までの4年間の平均で

男性合格者の24.0%

女性合格者の17.6%

となっております。

 

また、警察学校入校中の離職者につきましては、平成28年度から令和元年までの4年間の平均で

男性入校者の8.7%

女性入校者の14.4%

となっております。

 

 

▶後藤香織

警察学校は、個人の能力を最大限発揮させ、即戦力となる警察官を養成するために重要な養成機関であり、県民を守るため、ひいては警察官自身の身を守るためにも強い思いを持って、教育を行っているものと承知しています。

 

しかしながら、不本意ながら志半ばにして退学することとなれば、本人だけでなく、組織全体にとっても大きな損失となります。

 

そこで2点目に、警察学校での寮生活等において、女性への配慮はどのようになっているのかお聞きします。

 

 

▶警察本部長

女性が在籍するクラスには、女性の担任または副担任を配置し、さらに担任以外の女性教官も学生と積極的に関わるなど、訓練や寮生活等における不安や悩みに対して、きめ細やかに対応することができる体制を整備しております。

 

特に、離職者が多い入校して約1ヶ月間の特別指導教養期間中は、部内の臨床心理士が学校に常駐し、学校生活への不安を抱えた学生と個別に面談して、専門的知識に基づく精神面でのケアを行っております。

 

また、入校中は毎朝、健康状態の確認を行うとともに、学生の体調及び精神面での不調の兆候を早期に把握するなどのきめ細やかな対応を行っております。

 

施設面においては、女性警察官の採用拡大に伴い、女性浴室の増設トイレや洗面所等のリフォーム等、よりよい環境整備に努めております。

 

 

▶後藤香織

3点目に、警察学校では、時代の変化に応じ、どのような指導を行っているのか、また、離職を防ぐためにどのような工夫や教育をしているのか、お伺いします。

 

 

▶警察本部長

警察学校では、男女共学の教養体系により、女性警察官も男性警察官と同様の教養訓練を行っております。

 

一方で、性犯罪被害者への対応要領など、主に女性警察官が取り扱う業務を対象とした教養や職務執行中の受傷事故を防止するため、女性術科指導員による護身術訓練を実施するなどの指導を行っております。

 

また、離職防止につきましては、現場経験豊富な教官を数多く配置し、教官が、授業等を通じて過去の経験談を伝えるなど、学生に警察の仕事の魅力ややりがいを伝える教養等を行っております。

 

加えて、教官による個人面接をはじめ学校生活全般において学生に真摯に向き合い、学生個人の特性に応じてきめ細やかな指導を行っております。

 

 

▶後藤香織

質問の最後に、女性警察官の増員やワークライフバランスの実現、離職防止の取組についてお聞きしてきましたが、人口減少等により採用活動自体が難しくなる中、福岡県警察として人的組織基盤を今後どのように構築していくのか、その方針を警察本部長にお聞きします。

 

 

▶警察本部長

女性警察官の増加は、警察組織における多様性をもたらし、組織の質的強化に資するものと考えております。

 

加えて、今後は高齢化社会の進展に伴い組織の人的基盤が変化していくことが予想されます。

 

うしたことから、様々な事象に対し警察活動が的確に対応できるよう、全ての職員がその持てる能力を十分に発揮し、活躍できる組織基盤を構築していく必要があると考えております。

 

その上で、こうした組織の人的基盤の変化と併せて、刻々と変化する犯罪や社会情勢に対しても的確かつ柔軟に対応できる体制を構築し、安全で安心な暮らしを願う県民の期待に応えていく所存であります。

 

 

▶後藤香織

大変前向きなご答弁をありがとうございました。

 

1点だけ要望をさせていただきます。

 

答弁から、福岡県警察では、警察官が特殊な業務でありながらも、全ての警察職員が家庭と仕事の両立ができるよう、取組を勧めていることがわかりました。

 

しかしながら、冒頭でお答えがあったように、女性警察官の割合は全国で46位、下から2番目とのことです。

 

女性警察官の必要性は高まっていますので、今後も取組を続けていただきながら、より一層の増員をどうぞよろしくお願いいたします。

 

これで、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

後藤香織 県政事務所

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