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2021年9月定例会 一般質問 妊産婦に寄り添う支援の推進について

2021年9月議会における、後藤香織の一般質問の内容です。

質問の動画は下記よりご覧になれます。

http://www.fukuoka-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=639

2021.9.22

「妊産婦に寄り添う支援の推進について」

 1.コロナ禍での支援  2.不育症への支援

 

 

▶後藤香織

みなさん、こんにちは。民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。

 

妊産婦に寄り添う支援の推進について、まずはコロナ禍での取組について、知事にお聞きします。

 

本年5月、厚生労働省は2020年の妊娠届出数の状況について公表しました。それによると、福岡県は39,402件と初めて4万件を下回り、前年の41,065件と比較して1,663件、4%の減少となりました。出生数についても、2020年は38,967人と、前年の39,754人と比較して2.0%減少し、過去最低となり、少子化はますます深刻になっています。

 

内閣府は、出生数については2020年12月頃から新型コロナウイルス感染症の影響が出始めているものと考えられ、長期的にみても減少傾向が続いていることに加え、新型コロナウイルス感染症の流行が妊娠活動等に少なからず影響を及ぼした可能性がある、と分析しています。コロナ禍だからと「産み控え」することがないよう、しっかりと妊婦の不安に寄り添った支援が必要です。

 

そこで、まずはじめに、県では、新型コロナウイルス感染症に不安を抱く妊婦に対してどのような支援を行ってきたのか答えください。その上で、これまでの実績はどのようになっているのか、お聞きします。

 

 

▶知事

新型コロナの流行が続く中、妊婦の方は、感染による自身への影響のみならず、胎児や出産後の育児への影響など、妊婦特有の不安を抱いて生活されています。

 

このため、本県では、保健所で保健師等による電話相談を行うとともに、昨年4月から県の新型コロナのポータルページに「妊婦さんのための新型コロナウイルス感染症情報」を掲載し、感染の影響や妊婦健診の受診の仕方、ワクチン接種に関すること等の情報提供を行っているところであります。

 

また、昨年11月からは希望される妊婦の方を対象に、かかりつけの産科医療機関等で分娩前のPCR等検査を実施しており、今年7月までに

2,747件実施しています。

 

さらに、感染が確認された妊婦については、保健所の感染症部門と母子保健部門が情報共有し、新型コロナの回復後も、助産師や保健師が、訪問や電話により、様々な不安や悩みを傾聴し、健康管理や育児に関する相談支援を行っており、これまでに32名に対応してきたところであります。

 

なお、9月15日からは、妊婦の方及び同居している方に対して新型コロナワクチンの優先接種を県内9カ所の会場において実施しており、ワクチン未接種の妊婦の方の不安解消にも努めているところであります。

 

 

▶後藤香織

次に、妊娠中の女性労働者に対する支援について、お聞きします。

 

新型コロナウイルス感染症については、妊娠後期に感染すると、早産率が高まり、一部の方は重症化することが報告されています。

 

高齢での妊娠、肥満、高血圧、糖尿病などが新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク要因であるという報告もあり、このような背景を持つ妊婦の方は、時に人混みを避ける、こまめに手を洗うなど感染予防に注意をするようよびかけられています。

 

こういったことからも、妊娠中の女性労働者が、保健指導・健康診査を受けた結果、その作業などにおける新型コロナウイルス感染症への感染のおそれに関する心理的なストレスが母体または胎児の健康保持に影響があるとして、医師や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主に、休業など必要な措置を講じる「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置」が2020年5月から義務付けられました。

 

その上で、妊娠中の女性労働者が休みやすい環境づくりに努め、積極的な配慮を推進するために、有給の休暇制度を設けて取得させた事業主への助成制度も創設されています。妊娠中の女性労働者およびそのお腹の赤ちゃんの健康を守るため、必要な方がしっかりと制度を活用できる環境が必要だと考えます。

 

福岡県の2020年の妊娠届出数39,402件のうち、どのくらいの方がこの制度を利用されたのか、気になるところです。

 

そこで2点目に、この「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得に係る助成金」の本県内の助成状況はどうなっているのかお示しください。その上で、現在、県として、企業や医療機関に、どのように周知をしているのか、さらなる利用促進が必要だと考えますが、どう取り組むのか、お答えください。

 

 

▶知事

この助成金は、新型コロナの影響により、主治医等から休業を指導された妊娠中の女性労働者に対し、有給の特別休暇を取得させた事業主への助成措置として、国が昨年度創設したものである。各都道府県の労働局を窓口として、直接国から事業主へ支給されます。

 

県内事業主への助成実績は、昨年度186件、今年度116件、累計302件となっています。

 

本県としては、福岡労働局との共催による企業の人事・労務担当者研修会において、助成金の内容を説明するとともに県のホームページや「子育て応援宣言企業」へのメールマガジンを通じて継続的に周知を行っているところであります。

 

また、県内4地域で実施している社会保険労務士による個別相談会においても助成金の申請に関する相談支援を行っています

 

今後ともこうした支援を継続するとともに、県医師会や県看護協会等に対し、会員への休暇制度の周知を働きかけ、妊娠中の女性労働者にも同制度の情報を届けられるよう努めてまいります。

 

加えて、県のSNS等を活用しながら、広く一般の県民の方々に対して、直接、休暇制度の情報が届くよう発信してまいります。

 

※2021年9月30日、後藤の一般質問終了後、医師会に通知され、県内253の産婦人科にチラシが配布されました。

 

 

▶後藤香織

妊娠中の女性を取り巻く環境は、コロナにより、里帰りができない、サポートを受ける人がいなくなったなど、これまで以上に不安な要素が増えています。

 

例えば、広島県では、こういった不安な声を受け、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、昨年から県内市町が実施する産前・産後ケア事業の利用者の負担額の半額減免を実施しています。これまで、経済的にも産後ケア事業等の利用料が負担になっていましたが、この事業より、妊産婦が支援を利用しやすい体制となり、利用者数が増加しているそうです。また、同県内の市町も約7割の自治体が利用しやすくなったとの調査結果も出ています。

 

この交付金の使い方は、コロナ対策に使われることが本意ではありますが、コロナによって影響があり、支援が必要な事業にも使えることとなっており、ある意味、それぞれの自治体がどの分野を重視しているかがよくわかるかと思いますが、本県の使用用途を見ても、母子保健事業が、他の事業よりも軽んじられているように思えてなりません。

 

そこで3点目に、ロナで不安な要素が増えている妊産婦に対して、より一層の支援が必要だと考えますが、知事の認識をお聞きします。その上で、産前・産後サポート事業や産後ケア事業などの妊産婦をサポートする取組の利用促進を図るため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用するなど、県としてさらなる支援をすべきと考えますが、知事の見解をお聞きします

 

 

▶知事

コロナ禍においても、安心して子どもを生み育てていただくために、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の充実が必要であると考えています。

 

市町村では、産後の母子を対象に心身のケアや育児サポートを行う産後ケア事業等を、地域の実情に応じて検討し、国の補助金を活用して実施しています。

 

県内では、産後ケア事業等の実施市町村は少しずつ増加していますが、本年4月時点で、産後ケア事業は21市町村、産前・産後サポート事業は36市町村が未実施となっています。

 

未実施市町村からは、事業を委託できる産科医療機関等が近隣にない等の課題があると伺っています。

 

県としては、産科医療機関等の確保のための情報提供や先進事例の紹介などを行い、すべての市町村において産後ケア事業を開始できるよう、市町村を支援してまいります

 

 

▶後藤香織

この項の最後に、不育症への支援についてお聞きします。

 

妊娠22週の妊娠の早い時期までにおなかの赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産、妊娠22週以降に亡くなった場合を死産といい、「不育症」とは、妊娠したものの流産、死産を2回以上繰り返す状態とされています。

 

妊娠12週以降での流産、死産の場合、死産届出書を提出、亡くなった胎児を人工妊娠中絶手術により体外へ出すか、あるいは陣痛促進剤を用いて分娩する、といった方法が取られます。お腹の赤ちゃんをなくした悲しみに加え、その後の処置により、母体の心身への影響は想像を絶するものがあります。

 

流産や死産を経験した女性へ悲しみや喪失感を支える「グリーフケア」が大変重要だと考えます。

 

国は、本年度予算で不育症検査費用に係る一部助成により、不育症の方の経済的負担の軽減をはかるとし、不育症の方々への経済的な支援は少しずつ前進しています。

 

さらに、2021年5月に厚労省は、流産や死産も出産に含まれ、各種母子保健施策の実施の際には、流産や死産を経験した女性を含め、きめ細やかな支援を行うための体制整備に努めるよう、自治体に通知しました。

 

そこで、流産や死産を繰り返す不育症の方々に対して、県では、どのような相談支援を行っているのか。特に、グリーフケアが必要だと考えますが、どのようにグリーフケアに対応するのか、お聞きします。

 

以上、知事の真摯なご答弁をよろしくお願いいたします。

 

 

▶知事

県においては、不育の悩みに対し、全ての保健所で、助産師や保健師が電話等で相談に応じているところであります。

 

また、県内3か所の保健所に設置している「不妊専門相談センター」におきましても、不育症について、専門の資格を有する助産師等が、面接相談に対応しています

 

流産や死産を繰り返す不育症の方々は、我が子を失った深い悲しみや喪失感を抱えておられることから、そのような方々に寄り添ったグリーフケアが必要となります。

 

このため、相談対応に当たる職員や医療従事者を対象に、複雑な心理状態にある相談者への適切な対応と心のケアについての研修を実施し、相談支援の充実に努めてまいります。

 

 

▶後藤香織

コロナ禍での妊産婦への支援の推進について、知事からは「安心して子どもを生み育てていただくために、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の充実が必要である」との認識でしたが、その支援の充実については、県が行う主体的な支援については示されませんでした。

 

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、山梨県でも、産前産後ケアセンターが行う妊婦向け宿泊ケアの宿泊料を助成するといった事業に活用されています。

 

コロナの影響で、妊産婦をはじめ、多くの子どもたち、子育て世代も厳しい状況に置かれています。

 

妊産婦をはじめとし、妊娠期から子育て期までを切れ目なく支援する事業をより一層推進していただきたく、要望をいたしまして、私の一般質問を終わります。

 

ご清聴、ありがとうございました。

後藤香織 県政事務所

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