2020年9月議会における、後藤香織の一般質問の内容です。

2020.9.23「特定妊婦に対する支援について」」

後藤香織

みなさま、おはようございます。
民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。

本日は、特定妊婦に対する支援、県立3大学における教育環境の整備について、この大きく2つについてお伺いいたします。

まずは「特定妊婦に対する支援について」2点、お聞きします。

2009年児童福祉法が改正され、第6条の3 第5項において初めて、特定妊婦について「出産後の子どもの養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦」と定義されました。

厚生労働省の用語解説では、妊娠中から家庭環境におけるハイリスク要因を特定できる妊婦であり、具体的には、不安定な就労等収入基盤が安定しないことや家族構成が複雑、親の知的・精神的障害などで育児困難が予測される場合などがある、
とされており、未成年や予期しない妊娠をした妊婦なども含まれます。

ここで、新生児死亡の近年のデータを見ると、厚生労働省が昨年8月に発表した「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」では、2003年から2017年の間、心中以外の子どもの虐待死は735例、779人。

そのうち、0歳児の割合は47.9%と約5割で、産まれたばかりの0日児の割合は19.1%と約2割を占めています。
加害者の割合は実母が55.1%と最も多く、 妊娠期・周産期の問題では、予期しない・計画していない妊娠、妊婦健診未受診の状況が25%強に見られていることもわかっています。

特定妊婦が全て虐待を犯すわけではもちろんありませんが、虐待を行った親が、自身も虐待を受けてきたサバイバーであったり、不幸な生い立ちが関係していることは珍しくなく、虐待予防に、特定妊婦の支援が有効とされています。

「妊娠期の段階から支援すべき妊婦がいる」ということを前提に支援を広げていかなければなりません。

そこで、まず1点目に、妊娠を把握することができる産婦人科といった医療機関や市町村が連携し、いち早く特定妊婦を見つけ、支援をする体制の整備が急務だと考えますが、
特定妊婦について、市町村はどのように把握をしているのか、お聞きします。

▶知事

特定妊婦とは、出産後の養育が極めて困難となることが妊娠中から見込まれる妊婦のことで、支援を行うためには、市町村による早期の把握が必要である。

市町村では、母子健康手帳交付時の面談の際に、県が作成したチェックリストを活用し、妊娠が分かった時にとまどいがあったか、経済的に不安がないか、身近に支援してくれる人がいるか等について、確認し、特定妊婦の早期の把握に努めている。

また、産科医療機関においても、妊婦健診受診時等に同様の内容を聞き取り、特定妊婦を把握した場合には、市町村へ、情報提供を行っている。

▶後藤香織

現状では、出産後は、産後ケア事業、乳児家庭全戸訪問事業、ファミリー・サポート・センター事業などの子育て支援に関する様々な事業があるのに比べ、妊娠期の支援は少ないのが現状です。

妊娠期から子育て期までの切れ目のない母子支援により、母子の心身の健康を守るため、不足している妊娠期の支援の充実が求められています。特に、先に述べましたように、特定妊婦への支援は児童虐待を未然に防ぐためにも必要です。

そこで2点目に、心身の不調や育児不安がある等、手厚い支援を必要とする特定妊婦に対し、県はどのような支援を行うのかお聞きします。

▶知事

特定妊婦については、県保健所、市町村、医療機関等で構成される要保護児童対策地域協議会において、協議を行い、それぞれの妊婦の状況に応じて、家庭訪問による相談支援や家事・育児の援助など、必要な支援に取り組んでいる。

この取組みを推進するため、平成28年の児童福祉法改正により、市町村は、特定妊婦に対し支援計画を作成し、具体的な支援につなげる専任の保健師等を配置した「子ども家庭総合支援拠点」の整備に努めることとされた。

県では、この7月から、市町村に職員が出向き、拠点整備の意義、役割の説明、先駆的な市町村の取組みの紹介を行うとともに、国の財政支援制度の活用を促すことにより、できるだけ早期に拠点を設置するよう働きかけを行ってきているところである。
引き続き、市町村職員が出席する会議、研修の場を活用し、その設置を促してまいる。

▶後藤香織

特定妊婦については、ご答弁頂いた「子ども家庭総合支援拠点」の県内全市町村への整備の働きかけを県は引き続き、お願いいたします。

その上で「子ども家庭総合支援拠点」は、要支援児童及び要保護児童等への支援に重きを置いたものであり、特定妊婦に対する支援は十分ではないと思います。

妊娠期から出産、産後の養育について、社会的・経済的・精神的な不安を抱える特定妊婦が長期間、安心して滞在できる施設がなければ、実質的な支援は難しいのではないかと懸念します。

そこで、少しでも多くの特定妊婦を救うため、専門性の高い支援を受けることができる施設や制度の創設を知事に要望をいたします。

児童虐待は母親が厳しくその責任を問われることが多いように思います。もちろん、児童虐待や子どもの命を奪うことは決して許されるものではありません。しかし、その父親、家族、周囲の人にも責任の一部はあるのではないでしょうか。

虐待の加害者も自身の家庭環境など様々な背景を抱えており、児童虐待を未然に防ぎ、負の連鎖を断ち切るためには 「妊娠・出産、子育てを親一人の責任にしない」「命を社会全体で守っていく」 そのための支援を福岡県内全域に広げていただきたいと思います。

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