https://www.gotokaori.com/wp-content/uploads/2022/11/fukidashi_80_80.png

2022年12月定例会における、私の一般質問「20代の若者の県外への流出の要因について」「本県に避難したウクライナ人の状況と支援について」の内容です。

後藤香織:20代の若者の県外への流出の要因について

皆さま、おはようございます。民主県政クラブ県議団 早良区選出の後藤香織です。まずはじめに「若者の地元定着のための取組について」知事にお聞きします。

本年10月、九州経済調査協会は、九州の2050年の人口が2020年の4分の3になり、国立社会保障・人口問題研究所の推計をさらに上回る減少ペースで、人口減少が進行する、との推計を公表しました。それによると、2050年の、本県の将来人口は、427万人と推計されています。人口減少社会への対応は喫緊の課題です。

「福岡県総合計画」の人口ビジョンで、本県と他県との人口移動を年齢階級別にみると、各年代を通して転入超過傾向にあり、とりわけ、10 代後半の年代では、九州各県から転入があり、安定的な転入超過傾向がみられます。しかしながら、就職時期にあたる 20 代では、転出超過が見られ、選んで福岡県にきた20代の若者が本県から県外へ流出しており、本県にとって大きな痛手であると考えます。

そこでまずはじめに、20代の若者の県外への流出について、その要因を県はどのように分析しているのか、お聞かせください。

2点目に、若者の人口減が見こまれる中で、若者が県内で安心して働き、くらせる取組の強化が必要だと考えますが、本県の若者の県内就職促進の取組について、どのような施策を行っており、これまでどのような成果があったのか、お聞きします。併せて、より一層の促進が必要と考えますが、どのように取り組むのか、お聞きします。

知事答弁:若者の県外流出について

○ 住民基本台帳人口移動報告によると、本県は昨年、全体では5,792人の転入超過になっている。しかしながら20代については、全年代を通じて唯一、転出超過となっており、このうち20歳から24歳では411人、25歳から29歳では825人の合計1,236人の転出超過となっている。
○ 20代の動向を地域別に見ると、東京都、神奈川県など1都3県の東京圏に対し4,544人の転出超過となっている。
○ 国のまち・ひと・しごと創生本部事務局が実施した意識調査においては、地方圏から東京圏への移動のきっかけとして、20代前半では進学や就職と回答した割合が、6割を超えており、20代後半では、自身や家族の転勤、転職、結婚などと回答した割合が5割を超えている。
また、同本部では、大学卒業者等が就職する割合の高い専門的、技術的職業が東京圏に多いことが、東京圏への移動の要因の1つと考えられるとの分析がなされている。
○ 2020年の国勢調査のデータをもとに、本県からの転出者がどの業種に就業しているかについて分析すると、東京圏への転出者は東京圏以外と比較し、情報通信業や学術研究、金融といった業種への就業割合が高くなっており、国による全国の分析を裏付ける結果となっている。
○ このほか、東京圏には、本社機能が集積し、賃金水準が高いことも要因となっているものと考えられる。

知事答弁:若者の県内就職促進の取組について

○ 県では、県内の高校生や大学生等の地元就職を促進するため、地元企業の経営者による出前講座や座談会、職場見学会を実施している。また、学校の就職指導担当者に地元企業への理解を深めていただくため、企業の人事担当者との就職情報交換会を開催している。
県が参画している「九州インターンシップ推進協議会」では、県内の大学生を対象に地元企業や県庁、市町村でのインターンシップを実施し、昨年度は454人の学生を受け入れている
○ 県外学生のUIJターン就職についても促進しており、就職支援協定を締結している67大学において実施する就職相談会への出張相談や県内企業をPRするための説明会を行っている。
また、県外からも参加しやすいウェブを活用した合同会社説明会やインターンシップを実施しているところである。
○ 若者就職支援センターでは、昨年度までの5年間で33,408人の若者が新たに登録し、就職した25,803人のうち、約75%に当たる19,000人余りが県内企業に就職したものと見込まれる。同センターでは、今年度から、県内企業の魅力を発信する場として新たにオンライン座談会を実施している。
○ また、人材確保が喫緊の課題となっている県内の半導体関連企業の技術や魅力を伝えるため、9月補正予算により県内外の理工系学生を対象としたプロモーションツアーやウェブインターンシップを実施しているところである。
今後もこれらの取組により、若者の県内就職の促進にしっかり取り組んでまいる。

後藤香織:奨学金の返還支援について

次に、奨学金の返還支援について、お聞きします。

近年の4年制大学の学費の推移をみると、平成の約30年間で国公立・私立大学ともに、約30万円増加しました。
また、円安や原材料価格の高騰を受けて、物価高はとどまることを知らず、帝国データバンクによると、この1年間で値上げされた食料品は約2万800品目と、過去30年で異例の多さとなりました。総務省の「小売物価統計調査」を見ても、食料品以外の値上げも顕著であり、教育関係でも、制服、自転車、文房具など、軒並み値上げが見られており、コロナ禍に加え、この学費の増加、昨今の物価高騰が、子育て世帯の負担を大きくしているのは明白です。
さらに、総務省「家計調査家計収支編」2021より算出した都道府県教育費負担率ランキングでは、可処分所得に占める教育費の割合が、福岡県は4.97%で全国5位と高く、負担が大きい結果も公表されました。こういった教育費に関する厳しい状況の中、奨学金貸与者は年々増加しています。日本学生支援機構(以下、機構)の奨学金は、給付型を約23万人が受給していますが、その多くは貸与型であり、約85万人、日本の大学の学部生の実に3割以上が機構の奨学金を貸与、つまり、借りている実態があります。本県でも、2021年度、全学種で無利子第1種奨学金の貸与者は30,827人、有利子第2種奨学金は39,034人、貸与総額は、約509億3582万円と多くの方が利用しています。

奨学金の返還については、機構の奨学金を、貸与をするのは学生本人であり、3か月以上滞納が続けば、個人信用情報機関に登録、いわゆるブラックリストにのることで、携帯、車、家を買うことができないなど、様々なリスクがあり、2020年度末時点で、この「3か月以上の滞納」者は13万2千人、その額は2,069億円にのぼります。奨学金貸与者で結婚や出産などのライフプランを諦めたり、1割が自己破産を検討するなど、奨学金返済が若者に重くのしかかる厳しい実態が、若者の労働・貧困問題に取り組むNPO法人の調査でも、あきらかになっています。
日本では、裕福な家庭の子どもは恵まれた教育を受け、そうでない家庭の子は自分の希望する進路選択ができないなどといった貧困の連鎖も起きています。こんなときに大事になってくるのが、奨学金のような制度であり、進路選択の実現に、非常に重要な役割を果たしています。しかし、そういった救済のための奨学金制度が返還の重さから、更なる格差を生んでいるとの指摘もあり、返還の負担を小さくするためにも奨学金の返還支援が必要だと考えます。

内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議では、若年層を中心とした地方から東京圏等への人口流出への対策として、若者の地方定着の取組が重要であるとし、就職等により地域に定着する人材を確保するため、都道府県等が大学等卒業後に自団体の区域内に就職・居住することを要件として奨学金返還支援の制度を創設した場合、その費用の一部を特別交付税措置するなど、支援しています。
中小企業の人材確保のため、支援をする自治体もあり、東京都は、若い人材が不足している建設・IT・ものづくり産業の都内中小企業に特化し、企業と共同で奨学金返還支援に取り組んでいます。こういった制度を利用するなどして、本年6月1日現在、すでに36都府県、615市町村が、奨学金返還支援を行っています。
これについては、国も、本年4月に「特に、本制度を未導入の地方公共団体におかれましては、導入に向けた積極的な検討を」との、積極的な導入を促す通知を出しました。

そこでこの項の最後に、これまで述べた20代の県外流出、物価高騰、負担の大きい教育費等の状況を鑑み、今こそ、本県も基金の創設、および機構の奨学金返還支援の取組を開始してはいかがでしょうか。知事の見解をお聞きします。

知事答弁:奨学金返還支援について

○ 議員ご指摘の、都道府県と地元産業界が連携した奨学金返還支援制度については、大学等を卒業後に地元企業に一定期間就業するなどの要件を満たした学生に対し、奨学金返還を支援するものである。従って、本制度の創設には、産業界と若者の双方の理解が欠かせないものと考えている。
○ 若者については、学生の地元就職に関する民間の意識調査を見ると、地元就職の条件として「奨学金の返還支援」を選んだ学生の割合は低くなっている。
また、技術系人材の不足が喫緊の課題となっている企業へのヒアリング調査では、行政に期待する役割として「奨学金の返還支援」と答えた企業は少数に止まっている。なお、商工団体からも、奨学金返還支援制度の創設を求める具体的なご要望はいただいてない。
このようなことを踏まえて検討を行ってきたが、学生や地元企業のニーズが低いことなど、実施するには課題が多いものと考えている。
○ また、大学生や20代・30代の本県出身者は、他県に比べて地元就職・Uターン希望の割合が高いという特徴があり、こうした県内外の大学生等の本県への就職の希望をかなえることが重要であると考えている。県としては、魅力ある雇用の場を創出していくとともに、地元企業に関する情報を丁寧にお届けし、若者の県内就職を促進してまいる。

後藤香織:ウクライナから避難されてきた方々への継続的な支援

次に、ウクライナから避難されてきた方々への継続的な支援について、知事と教育長にお聞きします。
本年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、あと2ヶ月余りで1年となります。国は、特例として、就労可能な特定活動ビザを創設し、本県も「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」を設置し、県営住宅の提供、就労・教育などの相談支援、在留資格変更手続きなどの、様々な生活支援を行ってきました。

そこで1点目に、本県に避難してこられたウクライナの方々の状況とその支援の取組の現状について、知事にお聞きします。

母国を離れ、日本に、福岡に避難してきたウクライナの方々は、侵攻の終わりが見えない中、避難が長引き、帰国のめどが立っていません。このような状況にありながら、特定活動ビザの期限が1年であり、国は1年を超えての対応を未だ明らかにしていません。もし国が対応しないとなった場合に支援はどうなるのか、と不安の声を聞いています。

そこで2点目に、避難が長引いた場合、1年を超えて引き続きの支援継続が必要だと考えますが、現状での知事の考えをお聞きします。

次に、特に、日本語をはじめとした支援についてお聞きします。

ほとんどのウクライナ避難民の方々が、日本語ができない状態で来日し、就職はできるビザはあるものの、ことばの壁があり、やりたい仕事とできる仕事に乖離がうまれているのではないかと推測します。帰国するまでの間とはいえ、やりがいを持って働くことは人間として重要な要素であり、福岡での避難生活を充実させるための大きな要素の一つだと考えます。

そこで3点目に、日本語が壁となって就職をあきらめざるを得ない方へさらなる支援が必要と考えますが、日本語を話せない就労意欲のある方に対する支援はどのように行っているのか、また、県の相談窓口への就職や日本語に関する相談件数、その相談内容とあわせてお聞きするとともに、今後どう支援を行うのか、知事にお伺いします。

私が話を聞いたウクライナのご家族の中には、中学生がおり、夜はオンラインでウクライナの学校の授業を受け、昼は、近くの中学校に通っているとのことでした。
日本語が話せないウクライナから避難されてきた子どもたちに、地域で、学校で、楽しく過ごしていただきたいと思っています。そこでこの項の最後に、学校では、ウクライナから避難されてきた子どもに対し、具体的にどのように支援を行っていくのか、教育長にお聞きします。
以上、知事、教育長の真摯なご答弁をよろしくおねがいいたします。

知事答弁:本県に避難したウクライナ人の状況と支援について

○ 今月12日時点で、本県には、131人の避難民の方がおられる。そのうち、56人は県内に親族や知人がいる方、7人は国からの依頼により受入れた方で、ほか68人は日本経済大学の留学生である。
○ 県では、福岡県外国人相談センターに在福ウクライナ人を1名配置し、住宅、就労、教育など多岐にわたる相談を受けるとともに、必要に応じて行政書士と連携し、在留資格変更の手続き支援など、きめ細かな対応を行っている。
また、県営住宅及び入居に必要となる照明器具やガスコンロなどの生活物資を無償で提供している。現在、県営住宅に4世帯が入居されている。
○ 市町村においても、16の市町が公営住宅を提供し、7世帯が入居されているほか、学校の編入手続きや日本語教室の案内などの支援が行われている。
○ また、県が募集しているウクライナ支援救援金に、先月末時点で3,400万円を超える県民の皆様からの寄付をいただき、日本赤十字社を通じてウクライナでの人道支援に役立てられている。
加えて、県内の30の企業や団体から生活支援や雇用などの申し出が寄せられており、避難世帯への食料品の定期配達などの支援につながっている。
○ これらの支援は、県、両政令市、市長会及び町村会からなる「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」において情報を集約し、関係機関と共有するなどして避難民の方々の支援に取り組んでいる。

知事答弁:ウクライナ避難民への支援継続について

○ 現在、避難して来られた方々は、90日間の「短期滞在」として日本に入国後、1年間の「特定活動」の在留資格に変更が認められる。
一方、ウクライナ情勢は、現時点で、早期に収束する見込が立たない状況であり、避難生活の長期化が考えられる。現在認められている「特定活動」の在留資格の更新については、県から出入国在留管理庁に問合せを行っているが、国の方針はまだ示されていない。
○ 県としては、国の動向を注視しながら、引き続き、ウクライナ避難民の方々へ、出来るかぎりの支援を行っていきたいと考えている。

知事答弁:日本語を話せない避難民の方への就労支援について

○ 県外国人相談センターに寄せられる就職や日本語に関する相談は、先月末時点で17件あり、その内容は、就職や転職した場合の在留資格の取り扱い、企業の雇用手続き、日本語教材やお住いの地域の日本語教室についての問い合せなどであった。
○ 就職に関する支援として、県では、「福岡県ウクライナ避難民支援連絡調整会議」に各企業から寄せられた求人の意向に関する情報を福岡労働局に提供し、ハローワーク内の「福岡外国人雇用サービスセンター」を通じてマッチングにつなげている。
また、日本語習得を希望する方には、市町村と連携した日本語教室の紹介や、ウクライナ語版の日本語学習教材の案内を行っている。
現在就労されている避難民の方は16名おられ、その中には、これらの取組により就職に結びついた方もおられる。
○ 県としては、引き続き、このような支援にしっかり取り組むとともに、就職希望者のニーズを丁寧に聞きながら、就職に伴う雇用契約など諸手続きの際に通訳ボランティアを派遣するなどして、就労意欲のある方々に寄り添った支援を行ってまいる。

教育長答弁:学校におけるウクライナから避難してきた子どもたちへの支援について

○ ウクライナから避難してきた学齢相当の子どもに対しては、本人・保護者の希望に応じて小中学校に受け入れている。
受入れに当たっては、日本語指導が必要な状況であったため、日本語指導担当教員や学習支援員による指導を行うほか、日常のコミュニケーションがとれるよう、翻訳機能を備えた端末を貸与している。
○ また、受入れ自治体では、独自の支援策として、大学生とのオンラインや対面での日本語指導の機会を設けている。
さらに、学校外での日常生活についても、地域の支援団体が日本の習慣等を教えたり、母語が話せる外部人材の協力で、子どもや保護者の心のケアを行うなどの支援も行っているところである。
○ つらい経験をして日本に避難する子どもたちが、充実した学校生活を送ることができるよう、今後も取り組んでまいる。

後藤香織:要望

知事および教育長よりご答弁頂きました。
奨学金の返還支援について、1点要望します。
知事からは様々なデータを用い「検討を行ってきたが、学生や地元企業のニーズが低いことなど、実施するには課題が多い」とのことでした。
しかしながら、知事が答弁された地元就職に関する意識調査も、奨学金貸与者に限定したものではないことから、本県の若者の奨学金貸与者に対する正確な実態把握は不十分ではないかと推察します。
今後、機構からの情報提供など、貸与者の実態を調査し把握していただくこと、また、2021年4月からは企業による代理返還制度もスタートし、企業側が所得税非課税などの優遇措置も受けられます。こういった制度を本県内の企業に提供するなど、様々な制度を活用、研究し、奨学金返還支援につなげていただくことを要望します。
若者の未来のために、奨学金返還に係る負担を小さくできる取組の実現を期待して、私の一般質問を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP