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2023年9月定例会における私の一般質問、「困難を抱える子どもへの支援について」の内容です。

2023.9.20

児童虐待及び非行相談の現状と対応について

▶後藤香織

近年、子どもたちを取り巻く環境は大きく様変わりしました。

少子化の影響で社会の中でますますマイノリティとなり、総務省の「国勢調査」によると、本県の18歳未満の親族のいる世帯数のうち、3世代同居世帯は減少傾向にある一方で、ひとり親家庭の世帯は増加傾向にあるなど、家族形態も変化しています。

こういった環境の変化の中、日本財団によると、困難に直面する子どもは延べ学年の3人に1人、複数の困難を抱える子どもは約8割といわれており、子どもたちの抱える問題も複雑化・多様化してきています。

それを象徴するかのように、今、家庭や学校などで居場所のない中高生が、東京・歌舞伎町の「トー横」、大阪・ミナミの「グリ下」、そして、本県の警固公園に、SNS等を通して、つながりを求めて集まっています。

警固公園でも、他の場所と同様に、未成年の飲酒や喫煙、自傷行為、パパ活やオーバードーズが散見されます。

7月には県警察が一斉補導を行い、先日は暴行・強盗容疑で4人が逮捕されるなど、その存在が報道等で取り上げられることも増えてきました。

私は、先日「警固界隈」と呼ばれる警固公園に集まる10代の子どもたちに声かけをする夜回り活動に同行しました。

警固公園で夜回り活動を通して、アウトリーチでの支援・見守りを行うNPO法人あいむの聞き取りアンケートの結果、この「警固界隈」といわれる子どもたちは、約35%が発達障害、約20%は精神疾患があると回答しており、6割が生きづらさがあると答えています。

児童相談所から家庭に戻り、なお家庭不和となった子どももおり、既存の支援の枠から外れたり、または、既存の支援を拒む子どもがいるのも現状です。

こういった生きづらさや困難を抱える、居場所のない子どもたちが、犯罪に巻き込まれることも、する側にもならず、安心できる居場所や就労支援などで自立へとつなげ、自分らしく生きていくことが重要だと考えます。

そしてそのためには、予防的支援と重層的な支援・横の連携が欠かせません。この観点から、以下、質問します。

まず、子どもの現状の把握についてお聞きします。

児童福祉法に基づく制度によれば、虐待や非行により、児童相談所が関わった後、地域で見守りが必要なケースは市町村に引き継がれ、市町村要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の要保護児童として、関係機関と連携しながら支援するとされています。

そこで知事にお聞きします。

本県の児童相談所における虐待および非行相談の件数とその近年の傾向についてお示し下さい。

また、要対協では、要保護児童として引き継がれた児童について、その生活状況等をどのように把握し、児童相談所を含めた関係機関と連携して支援を行っているのか、お聞かせください。

 

▶知事

県内の児童相談所が昨年度対応した児童虐待相談は12,332件、非行相談は643件となっています。

年児童虐待相談数は年々増加傾向にあり、非行相談については、近年減少傾向にあったが、一昨年度から増加に転じています。

児童相談所が、地域での継続的な支援が必要と判断し、市町村要保護児童対策地域協議会に支援を引き継いだ場合は、まず、児童相談所や学校、民生委員・児童委員、警察などの関係機関が、それぞれの活動の中で把握している状況を共有した上で、支援方針と主体となって見守りを行う機関を定めています。その後は、定期的に要対協において、支援経過や家庭状況の変化などを共有し、必要に応じて支援方針の見直しを行います。

具体的には、児童虐待相談の場合は、適切な養育環境が維持されるよう、見守り機関となる市町村が家庭訪問を行い、ショートステイなどの子育て支援施設の活用を促すとともに、学校や保育所などと情報を共有することにより、虐待の再発防止を図っています。

また、非行相談の場合は、再び非行が繰り返されることがないよう、少年サポートセンターが、子どもの気持ちに寄り添いながら面接や生活指導を継続して行うとともに、学校や民生委員・児童委員などと情報を共有することにより、非行からの立ち直りを支援しています。

 

子どもに身近な第3の居場所について

▶後藤香織

次に、子どもが困難な状況に陥る前に支援につなげる早期支援について伺います。

早期支援の一つに、家庭でも教室でもない、第3の居場所づくりがあります。

これまで、第3の居場所づくりとして、子ども食堂など、いつでも立ち寄ることができる場所を提供する活動が全国各地で広まっています。

例えば、2012年に大阪府では、予防的支援として、高校の校舎内に、誰でも気軽に立ち寄ることができる「校内居場所カフェ」をスタートさせ、高校内の空き教室などを利用し、民間団体などが運営しています。

この取組は、2012年に大阪で始まり、北海道、宮城県、千葉県、神奈川県などでも実施されています。

そこで2点目に、子どもたちが困難な状況に陥る前に支援者や支援団体に繋げるため、子どもたちに身近な第3の居場所が必要だと考えますが、知事の見解をお聞きします。

 

▶知事

虐待リスクやいじめなどの理由から、家庭や学校に居場所がない子どもが健やかに成長するためには、その子供が安心して過ごせる居場所を提供し、子どもが抱える課題に応じた支援を行うことが必要であります。

このため、県では、昨年度から、こうした子どもを対象に安全・安心な居場所を提供し、子どもの状況に応じて、学習や食事、進路相談などの支援を行う市町村に対し、施設整備や運営費の補助を実施しています。

また、この事業では、社会福祉士などの専門職員が個別の支援経過を策定し、学校や医療機関、児童相談所、市町村要保護児童対策地域協議会などの関係機関と情報共有しながら、子どもや家庭への適切な支援につないでいくこととしています。

現在4つの市村がこの事業に取り組んでおり、県としては、子ども施策に関する市町村説明会や、子育て家庭からの相談に応じ様々な支援につなぐ「子ども家庭センター」の設置協議の場などにおいて、引き続き、市町村へ積極的な実施を働きかけてまいります。

 

困難を抱える若年女性への支援について

▶後藤香織

次に、特に、困難を抱える若年女性への支援についてお聞きします。

来年4月より施行となる「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」いわゆる「困難女性支援法」に基づく、国の基本方針においては「年齢、障害の有無、国籍等を問わない」と、こどもや10代も支援対象から外すことのないよう、掲げられています。

また、法では、都道府県の役割として、困難な問題を抱える女性への支援に関する活動を行う民間の団体と協働して、訪問、巡回、居場所の提供、インターネットの活用等により、相談、その他の支援の業務を行うとされています。

特に、未成年の場合、一時的な家出等では、賃貸契約やホテルへの宿泊も難しい現状です。

そこから犯罪に巻き込まれるケースもあり、一時的・緊急的に、宿泊できる場所を提供し、早急に支援につなげる体制が必要だとの声もありました。

そこでこの項の最後に、県では、困難な問題を抱える若年女性に対し、これまでどのような支援を行ってきたのか、法の施行を前に、今後は、どういった支援を行うつもりか、お聞きします。

 

▶知事

県では、婦人相談員による相談や一時保護に加え、令和元年度から全国でいち早く民間団体と協議し、繁華街や公園での声掛けなどのアウトリーチ支援、SNS相談、宿泊や食事の提供などを行う一時的な保護等を実施しています。

さらに昨年9月からは、昼間に立ち寄れるフリースペースを提供しています。

行政と民間団体が相互に連携し対応してきた結果、医療機関への受診、自立援助ホームへの入所のほか生活保護の受給につながるなど、一定の成果を上げています。

来年4月の困難女性支援法施行に向け、今年度中に基本計画を策定する予定であり、現在、市町村や民間の支援団体等で構成する検討会の開催や第一線で女性の支援を行っている団体へのヒヤリング調査を通じて、若年女性を含む様々な困難を抱える女性への支援の在り方を検討しているところであります。

これまで培ってきたノウハウを活かし、若年女性の実情に合った支援を、県、市町村、民間団体が連携してしっかり進めてまいります。

 

要望

▶後藤香織

ご答弁をいただきました。

困難を抱える子どもへの支援について、知事に1点、要望をさせていただきます。

私は今回、既存の制度や法の狭間にいる子どもの支援について、質問させていただきましたが、まずは、質問したい事項が、どこの課が担当するのか、というところからスタートしました。

こういった状況で新しい取り組みや部課を超えた支援の提案の難しさを実感したところです。

しかし、国では、子ども家庭庁が創設され、「誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援」や「こどもや家庭が抱える様々な複合する課題に対し、制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目ない包括的な支援」を今後のこども政策の基本理念に掲げています。

県においても、困難を抱える子どもや若者が、取り残されることなく包括的な支援をおこなっていただくよう、部課を超えた連携や予防支援の強化を、お願いをいたしまして、私の一般質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

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