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2026年6月定例会・一般質問における私の質問、「若者の孤立防止と自立支援について」の内容です。

2026.6.18

博多青松高校通信制課程における卒業に向けた支援について

▶ごとうかおり

ふくおか政策の会のごとうかおりです。

「若者の孤立防止と自立支援について」、知事と教育長に質問いたします。

不登校生徒や通信制高校への進学者の増加、ひきこもりや若年無業者など、若者を取り巻く環境は年々複雑化しています。

厚生労働省が公表した、令和6年度「生活保護受給者の状況」によると、生活保護受給世帯数は165万世帯余りで過去最多となりました。

65歳以上の世帯が半数以上を占める一方、20代の単身受給者は6年連続で増加し、25年間で7倍となっています。

本県の生活保護受給者は、約11万6千人、受給率が2.04%で全国4位、20代の受給者数は約3,500人で、全国同様、25年前の約7倍に増加しています。

その背景には、非正規雇用や実質賃金の伸び悩み、精神疾患、生きづらさを抱える若者の増加、さらには、親世代が就職氷河期で経済的余裕がなく、子どもを支えきれない家庭が増えているなど、複数の要因が複雑に絡み合っていることが指摘されています。

その結果、「働けなくなった」「学校に行けなくなった」といった若者が、誰にも相談できず孤立し、生活保護に至るケースも少なくありません。

生活保護は国民の権利であり、必要な方がためらうことなく利用できる社会であるべきです。

しかし、問題の本質は生活保護そのものではなく、支援を必要とする若者が適切な支援につながらないまま孤立してしまうことにあると考えています。

また、国の有識者からは、「学校を離れた若者を継続的に把握し、伴走支援する仕組みが不十分」との指摘もなされています。

そこでまず、県立および私立の通信制高校に在籍する生徒への支援についてお尋ねします。

通信制高校は、多様な事情を抱えた生徒にとって重要な学びの場となっています。

その中には、籍はあるものの、1科目も履修せず、学習活動が停止している、いわゆる「非活動生徒」と呼ばれる生徒が一定数存在しています。

この「非活動生徒」の割合については、全国私立通信制高等学校協会の調査によると、私立校が1.9%に対し、公立校が30.4%と公私で大きな差が見られ、この状態が長期化すると、中退、進路未決定、社会的孤立につながることが懸念されます。

国のガイドラインでも、非活動生徒への適切な指導・支援など、きめ細やかな支援が求められているところです。

一方で、高校生の卒業後の進路に注目すると、令和7年度の学校基本調査によれば、本県の進学でも就職でもない者、例えば、就職活動をしている者など、進路が未定となった生徒は、全日制・定時制高校の卒業者が約4.6%に対し、通信制高校の卒業者は、約40%と、かなり高くなっています。

こういった進路が未定の生徒は、高校を卒業し、学校から離れた場合に、支援や情報が切れることにより、制度が届かないという課題があります。

そこで、県立博多青松高校と県内の私立通信制高校について、それぞれお尋ねいたします。

まず1点目に、県立博多青松高校の通信制課程において、非活動生徒や中途退学者を極力少なくするためにどのような取り組みを行っているのか、あわせて、生徒への進路支援について、教育長のお考えをお聞かせください。

 

▶教育長

通信制では、生徒ひとりでの学習が中心になることから、学習意欲が継続できず学びから遠ざかる懸念があります。

そのため、生徒がいつでも教師への質問や、個別のレポート指導を受けることができる体制を整備しているほか、友人と共に学習意欲を高められるよう地区別学習会を開催しています。

さらに、協力校である、ひびき高校、西田川高校、大牟田北高校の3校と連携し、県内各地域で生徒の実情に応じてスクーリングを実施しています。

加えて、生徒の進路実現に向けて、教員による面談を通じて進路希望に応じた履修科目の選択を指導するほか、進路に関するガイダンスやセミナーを開催し、進路が未決定の生徒に対しても、卒業後も個別相談に応じるなど、継続的な支援体制を整えています。

県教育委員会としては、博多青松高校における生徒一人ひとりの進路実現に向け、多様な学習ニーズに対応した教育のさらなる充実を図ってまいります。

 

進路未決定の私立通信制高校の生徒に対する進路・相談支援について

▶ごとうかおり

2点目に、県内私立通信制高校では、進路が未決定となった生徒に対し、在学中や卒業後も必要に応じて、きめ細やかな進路支援や相談支援が必要と考えますが、今後の取組について、知事のお考えをお聞かせください。

 

▶服部誠太郎 福岡県知事

私立の通信制高校では、国の「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」により、進学・就職支援を担当する教職員やキャリアカウンセラーを配置するなど、生徒の社会的・職業的自立に向けた支援の充実に努めることとされています。

今回、進路未決定の生徒への支援について、令和6年度に卒業生を出した県が所管する私立通信制高校の6校に聴き取りを行ったところ、各学校で対応は異なるものの、定期的な連絡やアンケートを通じて卒業後も進路の状況把握を行うとともに、希望者には相談対応やハローワークへの引継ぎを行っているとのことでした。

県としては、就労に困難を抱える若者を支援する「若者サポートステーション」や、進路が定まっていない若者を適切な支援機関へとつなぐ「福岡県若者自立相談窓口」を活用し、生徒の状況に応じた必要な支援を行っているところであります。

また、昨年度から、県と福岡労働局との共催により、就職活動中の高校生を対象とした合同企業説明会を11月に開催し、県内の私立通信制高校の生徒にも参加を促しています。

今後とも、学校と連携し、こうした取組を通じて進路未決定の生徒に対し、支援を行ってまいります。

 

若年無業者への支援について

▶ごとうかおり

2023年の内閣府の調査によると、15~64歳のひきこもり当事者は、推定で約146万人と増加傾向にあり、ひきこもりが始まった年齢は20歳前後が最も多くなっています。

本県の15~39歳の若年のひきこもりは、およそ2.6万人と、50人に1人と推計されていますが、正確な実態はつかめておらず、実態に即した把握が必要です。

また、総務省によると、日本の15歳から34歳までの若年無業者いわゆるニートは、コロナ禍以降、徐々に増加し、2024年には約61万人となっているとのことです。

こういったひきこもりや、ニートの状態が長期化すると、生活困窮や社会的孤立に陥るリスクが高くなります。

本県は、学校を卒業・中退後、あるいは仕事を辞めた後、職業に就けず悩んでいる15歳~49歳の若者を対象に職業的自立など将来に向けた取り組みを行う「若者サポートステーション」を設置しています。

そこで3点目に、福岡県における、若年無業者の人数と傾向をお示しください。また、若年無業者に対し、県はどのような就労支援策を用意しているのか、その利用実績と成果についても、あわせてお聞かせください。

 

▶服部誠太郎 福岡県知事

5年ごとに行われる国の就業構造基本調査によると、本県の若年無業者数は、令和4年調査で32,600人であり、前回の平成29年調査から800人減少しています。

県では、身近な場所で支援を受けられるよう、県内4か所に若者サポートステーションを設置するほか、定期的に出張相談を行うサテライトオフィスを14か所に設置し、

・就労に向けた自分の適性や興味に合った職種を見つける個別心理相談やキャリア相談

・ビジネスマナーやコミュニケーションスキルを学ぶ各種研修

・就労体験やボランティア体験

など様々な支援を行っています。

昨年度の利用実績は、相談件数10,418件、新規登録者数570名、進路決定者数494名となっています。

また、ひきこもり状態にあり、相談窓口に来ることができない方には、インターネット上に仮想的につくられたメタバース空間において、アバターを介した個別相談、バーチャル交流会等による就労支援を行っています。

昨年度の利用実績は、相談件数202件、新規登録者数80名、進路決定者数44名となっています。

このほか、県では、ニート、ひきこもり、難病患者など働きづらさを抱える方を対象に、障がい者の就労訓練等を行う就労移行支援事業所を活用した「ワークダイバーシティ事業」に取り組んでいます。

昨年度の事業実績は、32名の新規支援者に対し10名の方の就職が決定しています。

 

若者サポートステーションの支援に繋がりにくい若者へのアウトリーチについて

▶ごとうかおり

若者サポートステーションは重要な支援機関である一方、自ら相談に来ることが困難な若者への支援や、通信制高校の非活動生徒、中途退学者等との接続には課題もあると考えます。

そこで4点目に、若者サポートステーションでは、支援に繋がりにくい若者へのアウトリーチをどのように強化していくのか、知事のお考えをお聞かせください。

 

▶服部誠太郎 福岡県知事

若者サポートステーションでは、県内各地で家族向けのセミナーを開催するほか、若年無業者の保護者の方の相談も受け付けており、自ら相談に来ることが困難な若者とのつながりづくりに努めています。

また、福祉機関や通信制高校等の関係機関に個別訪問し、若者サポートステーションの取組を周知・広報するとともに、支援を必要とする若者の情報把握に努め、要請があれば現地に出向いて相談を受けています。

その結果、待ちの姿勢では支援につながらなかった若者の自立・就労支援につながったと考えています。

今後とも、関係機関との連携を一層強化し、自発的に支援を受けることが難しい若者の就労実現を図ってまいります。

 

複合的な課題・背景を抱えた若者を支援につなぐ体制について

▶ごとうかおり

社会的孤立に陥る若者は、これまで述べてきたように不登校や通信制高校の非活動、中退、ひきこもりなど複合的な課題・背景を抱えている場合が多く、自発的に支援を受ける行動が難しく、行政が待っている姿勢では支援が届かない状況です。

また、現在の制度は、教育、福祉、就労、とそれぞれ縦割りになりがちです。

しかし、若者が抱える課題は複合的であり、教育・福祉・医療・労働といった分野横断的に適切な支援に繋ぐ体制が必要と考えます。

最後に、この点について、知事はどのような課題認識を持ち、今後、その課題に対し、どう取り組んでいくつもりか、お尋ねします。

若者が支援からこぼれ落ちることなく、それぞれの可能性を伸ばしながら自立していける社会の実現に向け、知事の積極的な答弁を期待します。

 

▶服部誠太郎 福岡県知事

様々な悩みを持つ若者に対しては、専門家が問題を解きほぐし、個々の問題に応じた適切な支援機関につなぐことが重要であります。

また、本人が相談をためらう場合は、保護者など周囲の方の橋渡しにより支援につなげることも有効であると認識しています。

県では、複合的な悩みにワンストップで対応する「福岡県若者自立相談窓口」を開設し、公認心理師や社会福祉士などの相談員が、本人だけでなく、保護者、関係機関からの相談にも応じています。

専門的見地から当事者の問題を整理するほか、希望される方には自宅への訪問や、支援機関への同行など、きめ細かに対応しているところであります。

また、相談内容によっては、複数の機関で支援する必要があるため、相互の連携が重要であります。

このため、県では、若者サポートステーション、ひきこもり地域支援センター等の支援機関で構成する「福岡県子ども・若者支援地域協議会」において、支援事例の共有、連携方策の検討などを行い、支援の充実に取り組んでいます。

様々な悩みを持つ若者を適切な支援につなげるためには、「福岡県若者自立相談窓口」を知っていただく必要があります。

対話型生成AIへの相談からこの窓口につながった事例もあることから、ホームページやSNSなどを積極的に活用した情報発信により周知を図り、関係機関と連携した支援につなげてまいります。

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