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2022年9月定例会・決算特別委員会における私の質問、「県学校給食会と学校給食の在り方について」の内容です。

2022.10.6「県学校給食会と学校給食の在り方について」

▶後藤香織

民主県政クラブ県議団、早良区選出の後藤香織です。

県学校給食会と学校給食の在り方についてお聞きします。

公益財団法人福岡県学校給食会には、県教育庁から評議員として教育振興部長が、理事として教育振興部体育スポーツ健康課長が業務執行の決定など、また監事として教育振興部体育スポーツ健康課参事兼課長補佐が理事の職務執行を監査するなど、その運営に大きく関わっています。

そういった中、二〇二〇年十一月十四日に給食「仲介費」カットという衝撃的な見出しとともに、福岡市が米飯、パン、牛乳のいわゆる基本物資三点について、県学校給食会を通さず直接購入に切り替えると新聞が報道しました。

その記事によると福岡市は、米飯、パン、牛乳の基本物資三点全てを二〇二〇年度から県学校給食会を通さず直接購入を始めること、県内ほぼ全ての市町村が基本物資三点は県学校給食会を通しており、やめるのは福岡市が初めてであること、給食会の仲介を省くことで食物アレルギーに柔軟に対応でき、購入費は年間約五千五百万円削減できる算定であること、直接購入する業者は県学校給食会を通していたときと同じ業者であること、二〇一九年度の県学校給食会の学校給食用食品の売上高は約百十億円で、そのうち約二三%の約二十五億四千万円が福岡市の算定分であること、県学校給食会は福岡市の様々な要望に十分応えることができなかった面はあるかもしれないとしているとのことです。

私はこの福岡市の対応に追随し、県学校給食会を通さず直接購入を検討する自治体も出てくるのではないかと懸念をしています。

そこで、福岡市脱退の影響等について聞いていきたいと思います。

ここで、委員長、公益財団法人福岡県学校給食会の二〇一七年度から五年間の物資収益額や基本物資の供給実績等が分かる資料を執行部に要求しております。お取り計らいをよろしくお願いいたします。

 

(資料配付)

 

それでは、資料に基づいて、福岡市の直接購入が二〇二〇年度にどう影響があったのかを踏まえ、御説明をお願いします。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

福岡県学校給食会の令和元年度から令和二年度にかけた推移は、金額ベースで物資収益額は二十一億二百二十五万七千円の減、取扱事務費収益額は六百四十七万八千円の減、物資仕入額は二十億四千六百五十九万七千円の減となっております。

そのほか基本物資は、精米・米飯・精麦の七億九千六百三十八万円の減をはじめ、パン、多様化パン、牛乳でも減となっております。

供給量ベースでは、精米・米飯・精麦の一千六トンの減をはじめ、パン、多様化パン、牛乳でも減となっております。

販売価格では、米飯一食七十グラム当たり九十銭の増をはじめ、パン、精米、牛乳でも増となっております。

 

▶後藤香織

福岡市が脱退したことで、金額、供給量ともに大幅に減少していることが分かりました。

そうなると心配になってくるのが県学校給食会の事業運営についてですが、新聞では、理事長の報酬額の見直しを検討するなど経費削減などで会運営に支障はない、また、ほかの記事では、人件費を削減し、食育教室などイベント開催も見直した、県給食会幹部は給食の提供に影響が出ないよう今後も事業の見直しを進めると記載してあります。

そこで、それら経費削減で幾らの効果があったのかお示しください。

その上で、事業運営の面でどのような対応をしたのかお聞きします。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

県学校給食会によりますと、物資価格への影響が出ないよう、人件費の削減で千三百五十万円、食育支援事業などの事業縮小により七百六十万円が節減されたと聞いております。

また、事業運営の面におきましては、物資価格が上昇しないよう、価格の設定方法を据え置いたり、市町村の要望に対応するための食材を開発したりしたと聞いております。

 

▶後藤香織

執行部、もう少しスピーディーにお答えいただけたらと思います。

すみません。

実際に人件費等の削減を行ったとのことですが、福岡市が脱退したことによる県学校給食会の取扱量の減少で大量購入のメリットとも言える安価な値段にできず、給食費の値上げが起きたのではないかということも容易に想像ができます。

そこで、福岡市の脱退によって購入における値上がりなど影響は具体的に生じたのか、また、そうであるならば具体的にどのような形で影響したのか、県学校給食会は値上げにどう対応したのか、詳細にお答えください。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

県学校給食会によりますと、県学校給食会も福岡市も同じ業者から米の供給を受けているため、業者の米の総取扱量は変わらず県学校給食会の仕入値が変わらなかったために、福岡市の脱退による物資価格への影響はないと聞いております。

なお、基本物資の販売単価が令和元年度から令和二年度にかけて値上がりしておりますが、これは材料費や人件費の上昇などによるものと聞いております。

 

▶後藤香織

今、課長からも説明がありましたが、要求した資料二、三の販売単価では米飯の単価が上がっていますが、脱退した福岡市が同じ業者の取扱いだったため業者の取扱量が変わらず、影響はなかったということです。

それでは少し違う切り口で話しますが、福岡市は数年間にわたり定期的に県学校給食会に保護者の意見を伝えていたとお聞きしていますが、事実でしょうか。

 

教育庁体育スポーツ健康課長

事実でございます。

 

▶後藤香織

では、具体的にどのような要望をしていたのかお聞きをいたします。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

福岡市から県学校給食会に対し改善の要求があった項目は、基本物資の価格設定に関すること、福岡市内産米の使用拡大に関すること、パン規格の見直しに関すること、食品ロス対策に関すること、物資事故報告に関することでございます。

 

▶後藤香織

その中で特に給食費に直結する米飯価格については価格設定が不明瞭であると指摘がされていますが、事実なのでしょうか。

具体的にどのような基準で決め、直近の価格は幾らなのでしょうか、お答えください。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

米飯単価は米の仕入価格に精米などの加工賃や事務費を加えた額であると聞いております。

また、基本物資の調達につきましては、法令上、市町村が県学校給食会以外の者から独自調達することが可能であり、県学校給食会からは、市場での価格競争が存在することから価格設定に関する詳細な情報は非公開としていると聞いております。

直近の令和四年度の価格は米飯七十グラムが税抜きで一食当たり五十四円五十銭です。なお、福岡市の価格は米飯七十グラムが税抜きで一食当たり五十九円七十三銭であり、この価格は麦御飯の価格と同価格でございます。比較すると米飯では、県学校給食会の価格が税抜きで五円二十三銭安くなっております。

 

▶後藤香織

特に近年、食材費の高騰は火を見るより明らかで、十月に入りさらに値上がりしました。

そのような中、給食費の中でも重要な位置を占める米飯価格の設定が不明瞭と指摘されているのは、自治体だけでなく県民や保護者の不信を招くと思いますが、いかがでしょうか。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

基本物資の調達につきましては、法令上、市町村が独自調達することが可能であり、市場での価格競争が存在することから、一業者である県学校給食会が価格設定に関する詳細な情報を非公開としていることもやむを得ないと考えます。

 

▶後藤香織

非公開はやむを得ないとの非常に残念な回答でした。

お米の価格は県学校給食会の理事会で決定をし、県教委に届出をしていると聞いています。

不信感を払拭するためにも、価格設定の根拠を明確にすることを要望したいと思います。

次に、パン規格の見直しについてお聞きします。

新聞記事にもあったように県学校給食会では食物アレルギーへの対応が不十分だったとのことです。

福岡市では、児童生徒の約三%、約三千七百人に対応が必要とし、業者からの直接購入に切り替えたことでパンからゴマを除去するなど柔軟に変更できるようになったとのことです。

そこで、福岡市からは具体的にどのような要望があったのか、それにどのように対応したのか、また対応できなかった場合は、その理由を教えてください。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

県学校給食会によりますと、福岡市からは、乳・卵アレルギーを有する児童生徒への対応として、それらを使用しないパンを追加することや、冬場に味や匂いなどの食味が落ちる米粉パンについて、食味の向上のために規格を見直してほしいとの要望があったと聞いております。

県学校給食会によりますと、パンの規格につきましては福岡市から随時要望がなされ、例えば、米粉割合の高い米粉パンについては特性上、堅くなりやすいことが課題となり、食味の向上ができなかったと聞いております。

 

▶後藤香織

対応や新たなパンの規格などに取り組んだものの、要望に応えることができなかったということです。

福岡市教育委員会にも聞き取りをしたところ、福岡市では、脱退後、福岡市産のあまおうを使ったパンなども開発ができたということです。

地産地消の豊かな食材を児童生徒たちに提供できているのではないかと非常に好印象に感じました。

この新聞記事が出た後、インターネット上では批判が殺到し、県学校給食会の不要論も見られました。

まさに米飯の価格設定も不明瞭な上にアレルギー対応もできないようでは不要論が増え、県学校給食会に対する県民の評価はますます厳しいものになるのではないでしょうか。

きちんとその必要性を県民に示すために、給食費の高騰対策に本気で取り組んだ上で、給食費に公費負担をプラスすることで無農薬や地産地消などの豊かな食材を提供することが今、県学校給食会に求められているのではないかと私は思います。

そのための県学校給食会の抜本的な変化が必要だと考えます。

そこで、特にお米については、なぜ農協との相対取引なのか、県産米限定でも入札もできるのではないでしょうか、大量購入のメリットが生かされる入札方式にしてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。

 

▶教育庁体育スポーツ健康課長

県学校給食会によりますと、地産地消のため、地元のお米を学校給食で提供したいという市町村からの要望があり、品質のよい県産米を安定して供給できる農協と契約を締結していると聞いております。

例えば、米が不作であった際には、農協が学校給食用の県産米を優先的に確保した事例があると聞いております

 

▶後藤香織

品質のよい県産米を安定供給するために入札方式にはしていないということでした。

農林水産省の米に関するマンスリーレポート(令和四年九月号)によると、本県の夢つくしの市場価格は税込み千八百十円であり、資料要求した精米価格は十キログラム当たり税抜き三千三百十円ですので、ほぼ市場価格と変わらないことになります。

皆様御承知のとおり、県産米については県とJAがその金額の一部を補助していますから、それにもかかわらず市場価格と県学校給食会の販売価格がほぼ変わらないのはなぜなのかと思わざるを得ません。

価格設定が不明瞭であるがゆえに不信が募ります。

運営に透明性が必要であることを指摘し、要望させていただきたいと思います。

最後に副教育長に、県民の皆様に求められる学校給食の実現に向けた県学校給食会事業の充実について、その決意を伺います。

 

▶教育庁副教育長

県学校給食会は、県内の学校へ安全・安心な米や牛乳、冷凍食品、加工品といった物資を供給するなど、学校給食用物資を安定的に供給する役割を担っております。

また、県学校給食会では、食育の推進や学校給食の普及・充実のため、学校給食レシピコンクールや学校給食フェア、料理コンクールを実施するなど、公益的な事業の工夫・充実が図られていると聞いております。

県教育委員会としましては、県学校給食会に対しまして、県産農林水産物を活用した物資の開発や取扱いに積極的に取り組んでもらうよう働きかけますとともに、今後とも子供たちが安心して給食を食べられるよう、安定した学校給食の実施に努めてまいりたいと考えております。

 

▶後藤香織

県学校給食会が児童生徒により豊かな給食を提供し、自治体や保護者の要望等にも柔軟に対応できるものにぜひなっていただきたいと思います。

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