
2026年2月定例会・一般質問における私の質問、「住宅政策について」の内容です。
2026.3.5
Contents-目次-
子育てしやすい住宅の普及 子育てしやすい住宅の普及の必要性と今後の県の取組について
▶ごとうかおり
ふくおか政策の会の後藤香織です。
本県の住宅政策について、知事に質問いたします。
まず、子育てしやすい住宅の普及についてお聞きします。
OECD(経済開発協力機構)の報告や各国の研究では、住宅費負担の上昇が出生行動に影響を及ぼす可能性が指摘されています。子どもを持つことで広い住宅スペースへの住み替えが必要となり、住宅支出が増加すること、また住宅費の負担が家計を圧迫することが合計特殊出生率にマイナスの影響を与える、との研究結果が紹介されました。
現在、検討が進められている国の「住生活基本計画」の見直しにおいても、若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現などが議論されています。
現行の福岡県住生活基本計画でも、基本目標の1番目に「子育てしやすい住まいの確保」を掲げられ、子育てしやすい住まいづくりの促進が示されています。
しかし、令和5年住宅・土地統計調査によると、本県は持ち家率が52.7%で全国45位、6階以上の共同建て率が28.2%で全国3位、1住宅あたり延べ床面積が43位、一人当たりの居住室畳数が41位と、マンションが多く、居住空間が狭い傾向があり、子育て世帯にとって必ずしも十分な住環境とはいえません。
私は、ことし1月、東京都墨田区の子育て応援マンション「ネウボーノ菊川」を視察しました。
この住宅は、子育てによる孤立や育児負担の軽減を目的に民間で整備されたもので、入居対象を子育て世帯とし、1階の共用スペースにキッズスペースを設けるなど、子育て世帯同士が支え合える住環境が整えられています。
また、ベビーカーで出入りしやすい玄関、転落防止柵、高い位置の鍵、指はさみ防止など、子どもの安全に配慮した設計が採用されています。
また、入居世帯が子育て世帯のみであるため、騒音に対する苦情なども少なく、子育て世帯が安心して暮らせる住環境の整備が、生活の安心感につながっているとのことで、大変すばらしい取り組みだと感じました。
東京都では、このような子育てに配慮した住宅を認定する「東京こどもすくすく住宅」認定制度を設け、事故防止や子育て支援の観点から住環境の質向上を図っています。
このような子育て配慮住宅・マンションの認証制度は、広島県などでも導入されています。
昨年2025年8月には、早良区のマンションから3歳の女児が転落し、お亡くなりになる痛ましい事故がありました。
消費者庁によると、マンションなどのベランダ等からの転落事故は幼児期、とりわけ1〜4歳に多いとされています。
また、乳幼児の日常生活の事故による救急搬送の約7割が、住宅等で発生しています。
こうした背景から、国土交通省は、事故防止や防犯対策などの子どもの安全・安心に資する住宅の新築・改修や、子育て期の親同士の交流機会の創出に資する居住者間のつながりや交流を生み出す取組を支援する「子育て支援型共同住宅推進事業」を実施しています。
本県においても、子育て配慮住宅の認定制度の導入や「子育て支援型共同住宅推進事業」の活用など、民間住宅を含めた子育てしやすい住宅の普及を図る取組が必要と考えます。
そこでまずはじめに、子育て世帯が子育てしやすい住宅の普及について、その必要性と、今後、県としてどのように取り組むのか、お聞かせください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
転落防止など、こどもの安全が確保され、快適な子育てが可能となる間取り、設備の導入など、子育ての工夫が凝らされた住宅、いわゆる子育てしやすい住宅の普及は、安心して出産、子育てできる居住環境を確保する上で必要なものだと考えています。
そのため、県では「こどもまんなか既存住宅流通リノベーション推進事業」を実施し、若年・子育て世帯が中古住宅を購入し、安全で子育てしやすい住宅に改修する場合、その費用の一部を補助しています。
具体的には、
①家事をしながら子どもの見守りができるアイランドキッチンへの改修
②子どもの成長に合わせて自由に間取りが変更できる可動間仕切り壁の設置
③安全性に配慮したベランダの転落防止措置
などの工事にかかる費用を対象としており、これまでの活用実績は575件であります。
また、県営住宅においても、若い世代の生活スタイルに合わせた和室から洋室への改修やカウンターキッチンの設置など、子育て世帯向けリフォーム住宅の整備を進めており、これまでの実績は217件であります。
さらに、国が民間共同住宅を対象に、こどもと親の双方にとって健やかに子育てできる環境の整備を進める「子育て支援型共同住宅推進事業」について、その活用が広く図られるよう、県のホームページで周知を行っているところであります。
今後も、様々な事例を参考にしつつ、これまで実施している取組をしっかり進め、子育てしやすい住宅の普及を図ってまいります。
アフォーダブル住宅の推進 子育て世帯が手頃な価格で安心して住むことができる住宅の供給について
▶ごとうかおり
次に、アフォーダブル住宅の推進についてお聞きします。
「アフォーダブル住宅」とは、中・低所得者を含む幅広い収入層が手ごろな価格で住むことのできる住宅をさします。
報道等によると、2025年の公示地価 変動率 都道府県ランキングでは、福岡県が第3位となり、土地価格の上昇が著しくなっています。
また、マンション価格上昇率は福岡市が全国1位で、建築費高騰の影響もあり新築住宅価格は上昇傾向にあります。
県民からは「手が出ない」との声も聞かれ、新築マンション販売は、上半期2割減となったとのことです。
住宅・土地統計調査によると、本県の家賃水準も全国的に比較的高い水準にあります。
このように、住宅価格や家賃の上昇は、子育て世帯やひとり親世帯の生活基盤を圧迫する深刻な課題となっています。
特に、福岡都市圏では地価や家賃の上昇が続き、若い世帯にとって安定した住まいの確保が難しくなっています。
一般的に、住居費は手取り収入の2~3割が適正とされますが、低所得世帯では3割を超えるケースも多く、教育費や食費など子育てに必要な支出を圧迫しています。
また、日本のひとり親世帯の貧困率は約45%と高く、住まいの不安定さが就労継続や子どもの生活環境にも影響を及ぼしています。
一方で、県内の空き家率は12.4%で、特に、郊外では住宅ストックが十分に活用されていない状況も見られます。
人口減少が進む地域において子育て世帯が住み続けられる住まいの確保は福祉政策にとどまらず、少子化対策と地域の持続可能性を支える基盤です。
本県においても、県営住宅の供給、セーフティネット住宅制度によるひとり親世帯等への居住支援などの取組が進められていますが、子育て世帯やひとり親世帯の居住安定をさらに図るためには、空き家の活用や家賃負担軽減策などの取組を強化していく必要があると考えます。
例えば、大阪府では、府住宅供給公社などの主導により、若年・子育て世帯に対する家賃軽減を行っています。
そこで2点目に、子育て世帯が手ごろな価格で安心して住むことができる住宅の供給をどのように進めていくのか、知事のお考えと今後の県の取組についてお聞かせください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
国の調査によりますと、九州・沖縄地域における住宅の取引価格は、建設費の高騰などにより、2010年からの15年間で約1.5倍に上昇しており、住宅を取得する子育て世帯にとって大きな負担となっていることから、これに対する取組が求められています。
このことから、来年度から新たに「空き家再生子育て応援事業」を実施いたします。
この事業では、市町村が実態調査を行って多くの空き家情報を持っていることから、その情報をもとに現在活用されていない空き家を、県と協定を交わした買取再販事業者が、子育て世帯が魅力を感じる住宅などに改修して販売します。
この取組を通じて、魅力的で新築より手頃な価格の中古住宅を多く流通させ、子育て世帯の住宅取得を応援してまいります。
要望
▶ごとうかおり
子育てしやすい住宅やアフォーダブル住宅の供給などの住宅政策を、子育て支援・少子化対策の重要な柱として位置付け、未来への投資として推進していただくことを強く要望し、私の一般質問を終わります。
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