
2026年9月定例会・一般質問における私の質問、「ワンヘルス施策について」の内容です。
2026.9.25
ワンヘルス関連予算について
▶ごとうかおり
次に、ワンヘルス施策について伺います。
人と動物の健康、環境の健全性を一体的に守るワンヘルスの理念は、人獣共通感染症や薬剤耐性菌への対応など、県民の命と健康を守る上で重要な考え方です。
一方、県民からは大変厳しい目が向けられています。
先日開催した私の県政報告会においても、ワンヘルスにこれほど多額の予算を投じる必要があったのか、等のご意見をいただきました。
県は、令和7年度の277の取組を分類しなおした結果、「人の命と健康を守る」ことに直接関係する取組は40、約14%であり、残る237、約86%は、ワンヘルスに寄与するものの、本来それぞれの目的を有する取組であったと整理しています。
知事自身も、体系的な整理が十分できないまま様々な事業にワンヘルスという冠を付け、職員も「ワンヘルスといえば何でも予算がつく」と受け止めていたかもしれない、と述べています。
そこで、知事に伺います。
なぜ、明確な基準がないまま、多数の事業をワンヘルス関連予算として位置付けることが、庁内で続いてきたのでしょうか。
その原因を、政策決定のあり方や庁内のチェック体制も含め、どのように認識しているのか、お伺いします。
また、行政改革審議会における今後の検討とは別に、知事自身はワンヘルス関連予算を選定するに当たり、どのような基準でワンヘルスとの関連性や事業の妥当性を判断すべきと考えているのか、具体的にお答えください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
ワンヘルス推進行動計画には、ワンヘルス推進基本条例の基本方針に基づき、ワンヘルスの推進に寄与する農林水産業の振興や環境の維持・保全など、幅広い事業を盛り込んでいます。
予算編成に当たっては、そのような中から、明確な基準なく、主たる目的が別にある事業を取り込んでワンヘルス関連予算として計上していました。
これによって、予算規模が大きくなり、また、ワンヘルスとどう関連しているのか分かりにくくなったことで、県民の皆様に疑念や誤解を生じさせることとなりました。
もっと丁寧に考え、そして県民の皆様にもっと丁寧に説明してくるべきであったと、深く反省しています。
今後の関連予算については、行政改革審議会の答申を踏まえて検討してまいりますが、基本的には、ワンヘルスが主たる目的であるものに見直したいと考えており、県として取り組むべき施策は何であるか、徹底的に洗い直し、研ぎ澄ませていく必要があります。
また、主たる目的が別にある事業についても、引き続きワンヘルスの理念を生かしながら実施してまいります。
ワンヘルスセンターの財源について
▶ごとうかおり
2点目に、ワンヘルスセンターについて、保健環境研究所の移設事業費は約163億円、動物保健衛生所は約41億円で、合わせて約204億円です。
県は昨年度、50億円のワンヘルスボンドを発行し、そのうち34億円をセンター整備に充当する予定で、本年度も100億円を発行しています。
そのほか、センター整備はグリーンボンドの充当対象でもあります。
これらは、有利な条件で資金を調達できるメリットがある一方、いずれも県債であり、将来、元金を返済し、利息を支払う必要があります。
「約200億円もの施設を造り、将来世代への負担は大丈夫なのか」という疑問も寄せられました。
そこで、おたずねします。
約204億円のワンヘルスセンター整備について、国庫支出金、一般財源、ワンヘルスボンド・グリーンボンドを含む県債、その他の財源を、それぞれ現時点でいくら充当する見込みなのか、全体の財源構成をお示しください。
また、県債については、地方交付税措置等による負担軽減分を差し引いた上で、元金償還による県の実質的な将来負担をどの程度と見込んでいるのか、併せてお答えください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
保健環境研究所の整備に係る事業費約163億円の財源については、
・国庫支出金約11.6億円
・県債約142.5億円
・一般財源約8.4億円
を見込んでいます。
また、動物保健衛生所の整備に係る事業費約41億円の財源については、
・県債約38億円
・一般財源約2.5億円
を見込んでいます。
両施設の整備には、活用できる国の補助制度が限られています。
そのため、世代間の負担の公平を図る観点から地方債を充当していますが、財政負担の軽減を図るため、可能な限り償還時に地方交付税措置があるものを活用しています。
具体的には、
・施設の基本的なハード整備部分には「公共事業等債」を
・施設の省エネルギー化や再生可能エネルギー設備の整備部分には「脱炭素化推進事業債」を
それぞれ充てています。
これらの地方債の活用により、整備の財源である県債約181億円のうち、約12億円については償還時に交付税措置されると試算しており、元金償還時の実質的な負担は差引約169億円となる見込みであります。
再質問
▶ごとうかおり
ワンヘルスセンターについて、再質問いたします。
知事からは、約204億円の整備費のうち、約181億円を県債で賄い、地方交付税措置等を差し引いても、利子を除く元金ベースで約169億円が県の実質的な将来負担となる見込みが示されました。
これは、総事業費の約8割です。
そこで、県の将来負担を減らすため、国費の活用を十分に検討したのか、お尋ねします。
国庫支出金11.6億円は、具体的にどの省庁の、どの補助制度を活用したものなのか、また、厚生労働省や農林水産省、地方創生関係など、各省庁の補助金・交付金について、どのような制度を検討し、その結果、なぜ活用できなかったのか、具体的にお答えください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
ご答弁申し上げます。
ワンヘルスセンターにおける国費の活用についてお尋ねがございました。
基本的に、県あるいは市町村の、こういう保健環境研究所などの庁舎、公用施設につきましては、単独事業としてこれを行うということが基本となっております。
こういった中でも、保健環境研究所につきましては、厚生労働省所管の「保健衛生施設等施設・設備整備費国庫補助金」、これを活用いたしております。
この補助金について申しますと、感染症対策の強化を図るために、感染症検査室の整備を対象とするものでございまして、11億6,000万円を充当する予定でございます。
また、動物保健衛生所につきましても、焼却炉や排水処理施設、また、保管庫等の整備に対し、農林水産省が所管しております「消費・安全対策交付金」の活用を検討いたしました。
しかし、この補助金の場合、事業の実施期間1年以内という要件となっておりまして、この要件に当てはまらないということで、活用を見送っておるところでございます。
なお、内閣府所管の地方創生交付金につきましては、庁舎等の公用施設、先程も少し申し上げましたが、こういった公用施設は対象外とされておるところでございます。
ワンヘルスセンターの整備にあたりましては、毎年度最重点要望として、県議会の皆様とともに必要となる施設整備に対し、十分な財政措置を講じるよう国に要望を行ってまいりました。
その後、一昨年度に先ほど申し上げました厚生労働省所管の補助金は創設されたところでございます。
要望
▶ごとうかおり
知事からご答弁をいただきました。
補助メニューが少ない中で、国庫の、国費の活用について一定程度の検討が行われたということです。
一方で、活用できる補助制度もありながら、要件が合わず活用できなかったものもあったということでした。
より幅広い選択肢を検討できなかったのかという点については、なお検証する必要があると私は考えます。
行政改革審議会においては、ワンヘルスセンターについて、施設そのものの必要性だけではなく、整備費や施設の規模、仕様が妥当だったのか、より抑制的な整備手法や事業工程の選択肢はなかったのか、また国費を最大限活用するための検討が十分に行われていたのかについても具体的に検証をしていただくよう要望いたします。
また県債のうち、元金ベースで約93%の約169億円が県の実質的な将来負担として残る見込みです。
今後の整備にあたっては、より交付税措置の有利な地方債を活用できないか、充当事業の要件や、毎年度、国の地方財政措置を精査・確認し、県の将来負担を少しでも軽減するよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
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