
2026年9月定例会・一般質問における私の質問、「災害リスクのある山林への防災対策について」の内容です。
2026.9.25
危険箇所の把握と対応について
▶ごとうかおり
ふくおか政策の会の後藤香織です。
「災害リスクのある山林への防災対策について」知事に伺います。
近年、所有者の把握が困難な土地や管理が不適切な土地が増加し、倒木や土砂の流出から住民の安全をどう守るかが課題となっています。
ことし7月の大雨では、私の地元、福岡市早良区で、所有者の把握が困難な山林の樹木が倒れ、隣接する住宅に被害を与えました。
倒木は、福岡市に対応していただきましたが、住民は残る樹木が再び倒れるのではないかと不安を抱えています。
この地域は、土砂三法に基づく事業の対象区域には指定されておらず、民有地で所有者の把握も困難であることが対応を難しくしました。
2022年の「所有者不明土地法」改正では、管理不全の所有者不明土地からの土砂の流出や崩壊、樹木の倒壊等を防ぐため、市町村長による勧告、命令、代執行等の制度が整備されました。
一方、既存の公共事業には対象要件があり、該当しない危険箇所は事業による対応につながりません。
民有地の問題として残され、さらに所有者の把握も困難な場合、住民自身が危険を取り除くことも極めて困難です。
そこで伺います。
1点目に、急傾斜地崩壊対策など既存の公共事業の対象要件に該当せず、かつ所有者把握が困難な危険な箇所についてどのように把握しているのか、また、そのような箇所の対応について、知事の見解を伺います。
▶服部誠太郎 福岡県知事
急傾斜地崩壊対策事業等の公共事業の実施にあたっては、根拠法令に基づき斜面の角度が30度以上、高さが5m以上、保全対象人家が5戸以上であることを基本として、順次、対策事業を実施しているところであります。
こうした事業の対象とならない箇所であっても、生命又は身体に危害が生じるおそれがある危険箇所については、所有者の把握が困難であるかどうかに関わらず、現地調査により地形等を把握し、現時点で1万8,547箇所を土砂災害警戒区域等に指定しています。
指定された区域については、県のホームページや市町村のハザードマップ等を通じて広く公表し、住民の皆様へ危険性の周知を図っているところであります。
既存の公共事業の対象要件に該当せず、かつ所有者把握が困難な危険箇所について、行政が中心となって対応するのは難しいと考えますが、住民の皆様から防災対策に関するご相談があった場合、県と市町村がしっかり情報共有をした上で連携し、行政として対応できる範囲で安全確保の手段を講じてまいります。
市町村による危険木の予防的な伐採等を支援する仕組みについて
▶ごとうかおり
今回、早良区に確認したところ、所有者の把握が困難な場合、役割分担や手続が十分に整理されておらず、対応につながりにくいという課題も分かりました。
福岡市は「所有者不明土地対策計画」を策定しておらず、県内でも策定済は5市町にとどまります。
埼玉県では、県が市町村等と連携し、マニュアルを策定しています。
本県でも、市町村による計画策定や、県による専門的な助言や支援など、法を活用しやすくするための枠組みが必要だと考えます。
この点について、県に対応を要望しておきます。
また、既存の防災事業など、既存制度による対応につながらない中でも、人家や道路への倒木など、具体的な危険が認められる山林も考えられます。
長野県では、森林づくり県民税を活用し、市町村が危険木を事前に伐採する取組を県が支援し、愛知県でも、道路や人家への倒木リスクが高い森林を重点的に整備しています。
こうした他県の取組も参考に、既存の防災事業では対応できない危険箇所についても、予防的な対策につなげていく必要があると考えます。
そこで2点目に、人家への倒木による人命への危険や、公共インフラへの支障など、公益上の必要性が高い場合には、県森林環境税による既存事業の活用・拡充や、森林環境譲与税を含む財源の活用、新たな支援制度の検討などにより、市町村による予防的な伐採等を県が支援する仕組みを検討する考えはないか、お聞かせください。
▶服部誠太郎 福岡県知事
県では、平成20年度から、福岡県森林環境税を導入しています。
この森林環境税は、福岡県森林環境税条例に基づき、荒廃した森林の再生等を図るため、強度間伐を実施するなど、森林の有する公益的機能の発揮を目的として課税しており、この森林環境税を財源とする市町村への補助事業
の要綱において、危険木の予防的な伐採は事業対象としていません。
一方、国の森林環境譲与税については、各市町村が独自に行う、間伐等の森林整備や放置竹林対策などに幅広く活用可能であり、県が、平成31年3月に策定した森林環境譲与税ガイドラインにおいて、危険木の予防的な伐
採への活用を推奨しています。
この結果、今年度、県内6市町村において、人家や道路等に被害をおよぼす恐れのある危険木の予防的伐採に取り組まれているところであります。
県では、改めて全ての市町村に対し、これらの活用事例を紹介しながら、取組の必要性を再認識していただくよう、丁寧に周知してまいります。
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